選挙リポートです。今月28日に投開票される県知事選と同時選挙となった宜野湾市長選。普天間基地を抱えるだけに、普天間問題にどう対応するのかが知事選の最大の争点と一緒になっています。金城記者の報告です。
宜野湾市長選には社民・社大・共産が推薦する前の宜野湾市副市長の安里猛さんと、自民・公明が推薦する前の衆議院議員の安次富修さんの2人が立候補しています。
「争点」~普天間基地問題~
安里さんは伊波前市長の下でこの6年間、副市長を務めただけに、アメリカ海兵隊のグアム移転計画に基づき、普天間基地をグアムへ移転すべきだと訴えています。
安里猛候補「新しい基地を沖縄に造っての撤退ではなく、新しい基地は沖縄には造らせない。基地の過重な負担から沖縄県民を軽減することになりますので、新しい基地を造らさずに普天間の基地はグアムに移設を求めていくということが、一番最善な方法だと思っています」
一方の安次富さんは、名護市辺野古への新基地建設に反対する名護市長の誕生や名護市議選で反対派が多数を占めたことを理由に、普天間基地は県外へと訴えます。
安次富修候補「47都道府県で痛みを分かち合って下さいということを堂々と私は主張しなければいけない。危険性の除去というものと固定化は絶対許さないという2つの観点から、じゃあ何が一番早いのかということを実行に移していかなければならない」
「市政継承」か「市政奪還」か
安次富さんが宜野湾市の街づくりのために掲げた公約の柱は8本。普天間飛行場の危険除去と県外移設、水道料金の値下げ、子育て世代の支援、医療福祉の充実、産業振興などです。
安次富修候補「市民の皆さんからとにかく宜野湾を元気にして下さい、明るく伸び伸びとした宜野湾市にして下さいという圧倒的な声がある。建設のつち音が鳴り響く、伸びゆく産業の街・宜野湾をつくっていきたい」
安里さんが公約の柱としたのは7本。30人学級の増設や健康・医療・福祉、西海岸開発による経済雇用の創出、予防接種の無料化や普天間基地の跡利用計画の促進などを掲げています。
安里猛候補「これからの宜野湾のコンベンション、アフターコンベンション機能を高めながら、沖縄県の観光産業を支えるメインコアとして、宜野湾市の活気をもっと発展させたいと思っています。けして宜野湾市は暗い街ではございません。旺盛に事業が取り組まれています」
「セット戦術」
安里さんは、知事選候補の伊波さんとのセット戦術で選挙運動を展開しています。また選挙戦終盤は、名護市の稲嶺市長が応援に入り、安里さん、伊波さん、稲嶺さんの3人が揃い踏みし、新基地建設ノーを強くアピールしています。
一方の安次富さんは、知事候補の仲井真さんとのセット戦術。2期目を目指す仲井真さんとの連携を強力にアピールすることで、出馬表明の出遅れをカバー。そして推薦する公明との関係を前面に打ち出した選挙運動を展開しています。