知事選には再選を目指す仲井真弘多さんと、新人で前の宜野湾市長の伊波洋一さん。それに新人の金城竜郎さんの3人が立候補しています。シリーズ2010知事選「選択」。きょうは、政権を担いながら知事選に独自候補を擁立できなかった民主党政権に対し、それぞれの候補者がどう考えているのかをお伝えします。
喜納昌吉民主党県連代表「県知事選挙について、独自候補を立てず、自主投票で臨む。自主投票について詳しくは党本部常任幹事会で話しあうが、県連の意向は十分組み上げてもらえると思う」
名護市辺野古周辺に新たな基地を造る日米合意を優先した揚句、政権政党でありながら今回の知事選に独自候補を立てなかった民主党。政権運営も迷走の一途をたどっています。この民主党政権に対して、知事選の各候補者はどういう考えを持っているのでしょうか。
仲井真さんは、沖縄側が示す新たな振興計画の行方を不安視します。
仲井真弘多候補「天下の大政党ですから、なかなか私ごときがちょっというのも気が引けるんですが、基本的には志は高くあの政党はスタートしたと思うんですね。日本の今、行き詰っている何かを抜本的に変えようという部分があって、例えば外交でも、例えばアメリカべったりだったというものが、少しアジアに重心を寄せようかとね。意気やよし。ちょっと実行の仕方において沖縄の普天間基地の問題にしても、少し進め方がバタバタした感があったりして、それから一括交付金であれ、いろんなのがありましたよね。これがどこまでしっかりと実現できるか、少し心配ですね」
伊波さんは、普天間問題以外では政策的に連携できるとしています。
伊波洋一候補「最低でも県外といってきたこの普天間問題の解決、まったく180度違って、また辺野古に舞い戻ってしまった。これは本当に情けないないなと。政権としての責任が全く放棄されていると思います」「県民がこの知事選を通して私を選んでいただければ、日米両政府は、沖縄県民はそういうことなんだということを納得すると思います。その上で、辺野古を断念していただくと。辺野古が断念されれば、もともと民主党は、私たちはその立場ですから。自公の対極にいるので、その部分の意見の対立はないわけです。だから一緒に沖縄の発展を実現できると思っています」
また金城竜郎さんは、民主党政権に対して批判的な立場を通しています。党本部とのはざまで揺れる民主党県連は、自主投票という「選択」で体裁を保つ形となりました。県連内部も割れ、今はひたすら知事選が過ぎるのを待っている状況です。その民主党の自主投票。それぞれの候補者にとってどう影響するのでしょうか。2人の国会議員を誕生させた民主党の支持票は、無視できません。仲井真さん、伊波さんとも民主党に秋波を送ります。
仲井真弘多候補「いろんな形で考えとか違っていても、私の政策に賛同していただけるんであれば、非常にありがたいことだと思いますよ」
伊波洋一候補「今、県民は(玉城デニーさん、瑞慶覧長敏さんの)お2人に対しては、県民のサイドに立ってほしいという気持ちがとても強いと思いますので、ぜひ一緒に運動していきたいと思っています」
独自候補を立てず、自主投票となった民主党。県民の信頼も薄らいでいる状況ですが、それでも知事選の行方を左右する政党であることは間違いありません。知事選も残り10日。それぞれの候補者は、民主党票の獲得に全力を挙げる方針です。
キャスターあとコメ「去年、華々しくスタートした民主党政権。しかし県内では参議院選、そして今回の知事選で独自候補を擁立できず、惨憺たる有様でした。これも基地問題でスタンスを大きく変え、県民の不審を買う形となったことによるものでしょう。私たち有権者は今回の知事選を通し、沖縄にとっての民主党政権にどういう働きをさせるのか、しっかり見極める必要がありそうです。