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この夏沖縄で開かれた、美ら島沖縄総体2010幕開けとなる総合開会式で美咲特別支援学校の生徒が公開演技のダンスの挑戦しました。彼らが育んだ友情と支えた人々の思いを振り返ります。

ダンスの全体練習が始まったのは3月。先頭で踊る高校生リーダーは、気持ちのこもったダンスを披露しますが… まだ恥ずかしがって振りの小さな生徒もいてモチベーションのばらつきが気になりました。

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そして、このころ美咲生は…まだ学校の体育館での練習。一緒に練習できるレベルには達しておらず3月の練習会には参加することができませんでした。

そんな彼らに変化が生まれたのは本番を3ヵ月後に控えたこの日の出来事全体練習を前に一緒に踊る北中城高校の生徒が美咲を訪れました。

顔合わせの前に、指導にあたる武内望先生がミーティングを行います。

ミーティングの様子 武内望先生「知的障害っていうのは障害とついているんですが、私達としては障害というのは個性として見ているので」「みんなと同じように好きなひとがいたり、付き合っているというひともいます」

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当山さん「関わったことがないから…、どう接していいかわからない部分があります」北中城生、少し緊張しているようです。「(名前は?)名前はあや、こっち、おぼえてくださいね(彼氏いますか?)彼氏いません(照)(好きな人はいますか)好きな人もいません、(好きになろうという人いますか)いません」積極的なのは美咲生のほうでした。

当山さん「右、左、はい、まわって、そうそうそう(ひろゆきポーズ)」高等部2年の浦崎洋之くんはダンスが大好きです。

当山優希・洋之組の練習,当山さん「最後にもう1回やろう、やるよ、せーの、まわって、足上げて、ジャンプ!開いて閉じて右、左、右、左14回って回って…OK!」当山さんの表情が次第に和らいでいきます。

この日美咲生は初めて本番の会場に向かいました。1000人の仲間との初対面です。北中城生も声をかけて、美咲をフォローします。大半の生徒が1000人の中でも自分たちのダンスを楽しむことができました。武内先生、彼等の成長を実感していました。

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2回目の合同練習。どんどん近くなる距離が互いのモチベーションを高めていきます。休憩に入っても時間を惜しんで練習する美咲生。そして北中城生も自主練を始めました。

ゆうき「美咲の子と一緒に踊っていたら自分のテンション上がっていって」あや「最初はめんどくさいって正直思っていて、だけど美咲とあったら楽しいダンスに変わって」

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5月に入り、この2校に普天間高校も加わり再び練習を行いました。美咲生はフラッグを持って退場するという新たな動きに挑戦します。当山さんも浦崎くんをフォロー。3つの学校が力を合わせたその時きっと成功するはずです。

ひろゆき君宅 父「1,2回隠れて見に行ったことがあるんです、県総で」「Q家でも練習してる?してる、練習っていうか見たくないけど見せられます、見て見て見てーって」このころの浦崎くんは家でも美ら島総体のダンスことばかり話していました。

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浦崎宅「おうちでもゆうきゆうきって言って、どこのゆうきかなって思ってたんだけど」県総ドーム北中城高 当山優希「最初は名前言った後はずっと黙ってましたよ、ひろ」「(今は?)はじけてます。ずっとはじけてます」

県総ドームひろゆきとゆうき「さわるな、さわるな、(照れてる)」浦崎宅「Q優希ちゃんの話するの?するよ」「(優希さんに)お髭剃れって言われる、ハハハ」浦崎宅 母:清美さん「これが高校生なんだなって思って、改めて」

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優希さんとのやりとりを聞き、母:清美さんは浦崎くんの青春を実感します。清美さん「人とのつながりみたいなものを感じてくれたら1人ではやっていけない、人間はちゃんと人とのつながりが大事で人に教えてもらったり感謝したりって言うことが大切っていうことがなんとなく感じてくれたらなって思って」

本番当日はあいにくの空模様,雷雨のため開会式は一時中断することに… しかし… 空手演舞入場する様子。みんなの思いが雨を吹き飛ばしました。

美咲円陣「バンミカスゾー

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いよいよ美咲生の全国初の挑戦が始まります。美咲生は懸命に自分たちのダンスを披露。全国の選手団を歓迎しようと集った1000人の高校生たちそこには高校生の若さみなぎるパワーが溢れていました。

武内先生、これまでの思いがこみ上げてきました。武内先生「感無量でした」「正直断ろうかなと思ったこともあったんですけど」

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全国初の挑戦にむけ指導を続けた武内先生を後押ししたのは生徒たちが紡いだ友情でした。最初は少し距離のあった生徒たち,しかしその距離は、美ら島総体という1つの目標に向かって縮まっていきました。かけがえのない友情が全国初の開会式を成功へと導きました。

武内先生「職員が手助けするのはスタートだけでそこからは子ども達が自分達で作っていったものなので高校生が入ることでいい効果がでて」「去年の始めたころに比べたら比べ物にならないほど、自分たちから楽しんでいたし」「普通の高校生と特別支援の子たちが一緒になって作り上げていった演技だったので、本当にあきらめないで続ければできるのかなと思います」

最後まで自分たちのダンスを踊りきった美咲生たち,全国の選手団を見送るその表情は笑顔に包まれていました。新たな可能性を見せた美咲生の挑戦彼等も確かに美ら島総体の主役でした。

公開演技に参加した学校が会場内にアナウンス」「美咲特別支援学校〜(みんな手をあげる)」

体力的な問題などが心配され、知的障害のある生徒の参加がなかなか実現してこなかった高校総体ですが、指導者の熱意と生徒たちの友情が、様々な課題を超えさせていったような感じがしますね。

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QABでは、彼らの様子を1年にわたり取材した「僕らの夢舞台〜美ら島総体美咲特別支援学校の挑戦」をあす午後2時〜1時間の特別番組で放送します。