ハブはこの季節、涼しくなり繁殖も終わったことで、一年で最も活発になります。ハブにかまれる「咬症被害」も、今の季節が最も多い時期にあたるということで、県は来月一杯までを「ハブ咬症防止運動」期間として注意を呼びかけています。
沖縄県内には、現在4種類のハブが生息しています。数十年前と比べると、確実にハブの生息数は減少していると思われますが、それでもここ10年間で発生した咬症被害は985件。死者こそ出ていませんが、年間100件程度発生し、その4割以上が9月から11月の3か月に集中しています。
草柳記者「こちらは住宅街からも程近いやぶの中です。こんなに住宅から近い場所にも、ハブを取るわなが仕掛けられています」
罠を仕掛けているのは、沖縄県衛生環境研究所ハブ研究室。ハブを捕獲・飼育し、生息域や生態などを研究しています。
県衛生環境研究所・寺田考紀研究員「こっちは生きたネズミが入っています。実験してるのも合わせたら100台くらい仕掛けてると思います」
こうした調査の結果、ここ数年、外来種の「タイワンハブ」が名護市や恩納村の一部で急増していることがわかりました。
寺田考紀研究員「これまでに6件の被害例があります。これは急激に近年増加していますので、今後も注意が必要な種類ですね」
とはいえ、被害の中心はやはり数も多く、生息域も広い在来種のハブです。もし、目の前にヘビが現れたら・・・。改めて、対策を考えておきましょう。
寺田考紀研究員「そのヘビが毒ヘビかどうかを見分けるということ。見分けるポイントは、背中の色と模様です。放っておけば、逃がせば、誰かが咬まれるかもしれないという危険性が残りますので、できれば生け捕り、あるいはその場で殺す」
ハブは都市部にも現れます。那覇市内でも去年から今年にかけ、国場、若狭、天久の3ヵ所で、ベランダや寝室での被害報告があります。
意外と身近なところに、確実に生息しているハブ。この季節、いつ遭遇しても慌てないよう、心構えだけは忘れずに!