※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

投票まで45日と迫った県知事選挙で、政権与党の民主党は7月の参院選に続いて今回の知事選でも候補者を擁立せず、自主投票となる可能性が高まりました。

今月10日、民主党県連・喜納代表は知事選での独自候補の擁立を明言。13日には民主党本部で候補者の調整に臨みました。しかし、党本部の答えは「辺野古移設の日米合意を否定し、普天間の県外移設を主張する候補はやはり推せない」いうものでした。

党本部の政策に背き、普天間の県外移設を主張している民主党沖縄県連。新垣幹事長は14日朝「政策の問題もあり、そこがまず県連と民主党本部とで一つにならないと取り組めない。そのハードルも結構高い。そういう意味では、本部と県連が一つになって、独自候補というのはこの時点では厳しいのではないかという感覚を個人的に持っている。週末にでも県連としての方針を出していく方向になるかと思う」と語り、独自候補の擁立を事実上、断念する発言をしました。

民主党は7月の参院選に続き、来月の知事選でも政権与党としてまた候補者を立てられない異例の事態となりそうです。

記者解説 問われる県連の存在意義

では、岸本記者に聞きます。党本部と県連の間に政策のねじれがあるというのはわかりますが、政権与党として、今回もまた候補者を立てないというのはやっぱり無責任ですよね。

岸本記者「民主党県連が県内移設に反対する県民と、辺野古で日米合意した党の本部の政策の間で、板挟み状態で非常に苦しい状況にあるというのは理解できるんですが、結局は県連は『何もしていないじゃないか』と言われても仕方がない。県連としては、そういう批判を避けるために今回の知事選で、党としてではなくて県連として独自で、候補者の誰かを『支持』するということはあるかもしれません」

岸本記者「この他、浦添市の儀間市長を中心とする第三極は現在、下地衆議院議員に出馬を依頼していますが、下地さんは与党の一角である国民新党の幹事長ですから、周りが今、幹事長をやめてもらっては困ると必死になって止めている状況です」

岸本記者「そんな状況ですから、仲井真知事と伊波さんの一騎打ちとなる可能性が非常に高まっている訳なんですが、この2人、普天間基地の県外移設という点では、今は同じ主張になっています」

仲井真知事「県民が納得いくように、辺野古移設に対する十分な説明がない。これは無理だから、県外移設はしっかりやってもらいたいと仙石官房長官に申し入れをしてきた」

伊波洋一宜野湾市長「私は決してぶれることなく、一貫して県内移設に反対してきました。今後ともぶれることはありません!」

岸本記者「仲井真知事は先月、県内移設容認から、県外移設を要求する方向に立場を変えた訳ですが、表面上は伊波市長と同じ主張になりましたから、有権者が基地政策で選びにくくなったということは間違いない」

それは、仲井真陣営の戦略でもありますよね。

岸本記者「民主党県連が、県外移設を主張する伊波さんか仲井真さんを推す可能性も無くはないんですが、それは国の政策とは関係ないところでの県連のパフォーマンスという厳しい見方もできます」

岸本記者「このままでは、選挙で誰が勝っても、政府と県の話し合いはずっと平行線でまったく前に進まない。そして、普天間基地の危険性はずっとそのままという可能性が高くなりますから、民主党県連の存在意義そのものも問われてくると思います」