「うちのおばあちゃんは転んだ途端に急に元気がなくなった」というような話を時々耳にしますね。確かに、健康で長生きするためには、丈夫な足腰を維持することが必要不可欠です。無理せず楽しく、筋力アップに取り組んでいるお年寄りを取材しました。草柳記者です。
浦添市にある整形外科病院。病院内に併設されているのは、ご覧のようにジム。日々筋力作りに励むのは、おじいちゃんやおばあちゃんです。設置されているのは、47種類の本格的な筋トレマシン。体中のあらゆる筋肉を、それぞれの体力や治療の必要に応じて鍛えることができるようになっています。
院長「このマシンだと、おじいちゃんおばあちゃんが転ばなくなります」「ひざを上に上げる、そういう運動をやった後に歩き方が全然変わっちゃうんです」こちらでは、医師やトレーナーのアドバイスのもと、多くの高齢者が、着々と決められたメニューをこなしています。
高齢者72歳・女性「70にして孫ができましたので、抱っこしても下から何も掴まないでサッと立てるし、階段もサーッと下りて、上ったりできるんです」
高齢者72歳・女性「頚椎が少し離れているということで、筋肉をつけなさいといわれてそれから一生懸命やってます。もう完全に治りました」
草柳記者,おばあと勝負「それでは115キロ、レッグプレス。41歳、私、挑戦します。よーい、ドン!・・・ダメだ、上がらない!」
さらにこちらの女性。右ひざのじん帯切断という大怪我をきっかけにトレーニングを始めて4年。現在では、240キロも軽々と持ち上げるパワーの持ち主です。
佐久本さん「半年くらいから自分の体に変化が出てきて、筋肉がついてきて、力が出て、それからもう楽しくなってですね」「じん帯が切れた怪我に対しては、本当に感謝、フフッ」
高齢者の筋力トレーニング。一見ハードな運動に見えますが、体への負担は大丈夫なんでしょうか?
院長「ひざ関節が痛いとおっしゃる方は、ひざ関節の周りの筋肉がほとんどないんですよ」「周りの筋肉がだんだんついてくるにしたがって皆さんドンドン自分で体感されてますんで、よくなってるというのを自分で感じてます」「転ばぬ先の杖という言葉がありますが、うちでは転ばぬ先の筋トレなんですよ」
個人差はありますが、筋肉量は年齢とともに減少していきます。筋肉が減ると脂肪が蓄積しやすくなり、生活習慣病の一因にもなりえます。筋肉の減少を少しでも防ごうというのが、この病院の取り組みです。
そして、こちらのジムの最高齢者がこの方。波照間用恭さん、御歳84歳。3年前、庭木の剪定中に転倒して腰を痛めました。
波照間さん「腰が痛くないということは、筋トレをやったら腰が治るんだなと、これはすばらしいよ」トレーナー「皆さんの目標で、70,80になっても、自分の体で、自分の足で歩ける体作りというのが目標です」年齢と共に衰える筋肉を適切に鍛えることで、足腰をいつまでも丈夫に保つ。
もちろん無理は禁物ですし、トレーナーの指導も必要ですが「転ばぬ先の筋トレ」、皆さんも明日の自分のために始めてみませんか?