きょうから今月30日までは「結核予防週間」です。結核は過去の病気だと思われがちですが、いまだ全国で年間2万人あまりが感染者として報告されています。そこできょうは実際に結核を患う患者への取材を通して、この病気の怖さなどをお伝えします。中村記者です。
患者Aさん「自分としてはまさかという気持ち。結核菌が検出されたから入院だということで。仕事場から来たんで、そのまま仕事着のまま入院した」
患者Bさん「最初、何のことだか全然わからなかった。『結核って何ですか?』って聞いたぐらいですから。この病気自体知らなかったですよ」
患者Cさん「(今は)諦めがついて、治るまでは薬を飲み続けて、完全に治して退院をしようと思っています。早く直してもう社会復帰したいと思うだけです」
結核はこの結核菌が体内に侵入して肺などで発症する病気です。
発病した人からはくしゃみや咳などと一緒に結核菌が体外に排出され、周りの人に感染する可能性があります。しかし発病するまでに時間がかかります。現在、治療を受けているCさんは、10年前に結核を発症した友人を看病していました。
患者Cさん「自分にはこういう病気はうつらないと思っていたから、マスクなしで看病した。症状がそっくりだから『あのときの病気じゃないか』と疑って保健所に行った」
結核のような感染症については、保健所が感染者のデータ収集や感染の拡大を防ぐための活動を展開しています。
南部保健所・譜久里民子所長「世界的には先進国のなかで『中まん延国』。先進国のなかではまだ結核はあるほう」
県内では毎年200人あまりが感染、ことしも6月までの半年に134人が確認されています。全国では年間およそ2万5000人が感染していて。10万人あたり19.0人という数字は先進国のなかでは最悪です。
結核治療を専門的に行う、宜野湾市の沖縄病院。多くの患者を診察した久場医師は、このような症状があると要注意だと警鐘します。
沖縄病院・久場睦夫医師「最初のころは微熱、軽い咳、風邪の症状とかそういうもの。つい放置して、進展した場合に、重症化してくる人もいる」
患者Aさん「最初の一週間はもう気持ち的に大変だった。今はもうそれで慣れて、それも快方に向かっていることはわかっているから、気持ちも落ち着いています」
重症化した患者は隔離されたなかで、平均2ヵ月の入院。その後も自宅へ戻り、最低4ヵ月は薬を飲み続ける必要があります。
久場医師「中途半端な治療をした場合、菌が少し残った場合は再発して菌に利きにくい」
徹底して投薬治療で完治させることが重要なのです。今や結核は「不治の病」ではありません。しかし、今だ「過去の病気」でもないのです。