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理系進学を目指す女子中高生を応援しようというイベントが開かれました。全国的に理系の学生が減少するなか「女子」にターゲットを絞ったのはなぜでしょうか?

理系女子と聞くと、皆さんは何をイメージしますか?街の女子高生の声を聞いてみました。「(勉強が)難しそうです。文系よりは。仕事が大変なので、結婚とか出産とかしてる時間がなさそうです」「理系の職業っていうのは、簡単にはなれなそうだなっていうのがあります」

このような声も聞こえるとおり、理系の女子学生に対するイメージは厳しいものがあります。理系学部全体に占める女子の割合は、女子の多い看護学科を入れてもおよそ28%、工学部に至ってはわずか10%です。

そんな中、理系クラスの男女比率がほぼ半々という那覇市の高校を訪ねました。

「(Qどうして理系を選択したのか?)医学部に進学するために理系に進むことにしました」」「私は薬学に興味があって、そういう仕事に携わりたいので」

理系女子が医学部や薬学部に集中しているのは目指す資格が職業に直結していて、将来が見えやすいからと中玉利教頭は話します。しかし、統計が示すように、理系全体では女子はまだまだ少数派というのが現状。そのため不安もあります。

「理系ってどうしても男子が多いじゃないですか。その中で、女子がどんな感じなのか知りたいです」

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昨年から大手出版社が中心になって、HPや会員誌で、理系のキャンパスライフや仕事、先輩理系女子などを紹介する取り組みが始まっています。

講談社・岩田俊さん「5年後10年後、自分がどうなってるかをなかなかイメージできないところが多くあるので、未来の先輩というかお姉さんたちを紹介することで、彼女たちの進路選択の手助けになれば」

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女性研究者の尾崎有紀さん。きょうは、ホタルの光を作る実験を通して、生徒たちに科学の楽しさを伝えたいと話します。

合図と共に「ルシフェリン」という光の素と「ルシフェラーゼ」というタンパク質を混ぜ合わせると・・・。

生徒たちの手の中に、幻想的なホタルの光が点りました。不思議そうに試験管を振ってみたり、液体を手のひらにのせたりとみんな興味津々です。

尾崎さんが光るメカニズムを解説します。そこで、何かに気づいた生徒がいました。

「手にのせて握ったら暗くなりました」

どうやら何かしらの条件の変化によって、光に変化が出るようです。

尾崎さん「今、握ったとかいう話が出たんで、今回は温度というものに注目して実験してきたいと思います」

疑問が出てきたら、その疑問を解くためにまた実験を重ねる。慣れないながらも、議論を交わす生徒たちの姿はもう立派な研究者。尾崎さんが生徒たちに伝えたかったのはこの、研究という作業の基本だったのです。

「ホタルの光が、ハリーポッターの映画(みたい)」「とてもいい体験になりましたし、こういう風に研究するんだって流れが少しわかってとても良かった」

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実験の後の交流会。将来の事だけに、生徒たちからは本音の質問が飛び出します。

「学力的には医学部きついので、看護で入って・・・」『それでもいけるよ。医師免許は取れないけど、研究に携わることはできる』

先輩も真剣に応え、後輩を励まします。

『これからは理系の女性が必要、世の中に。女性が元気じゃない会社は続かない。それは本当に感じるので、ぜひ自分を磨いて、社会でも研究所でもやりたいことがあれば、十分やっていけるんじゃないかと思う』

「面白かったです。もともと興味があるのは理系なので、理系にもう1回進みたいと思いました」「(文系の)みんなにも理系の楽しさを教えられたらいいなと思います」

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理系女子には追い風も吹いています。

リバネス・福田裕士さん「沖縄は健康食品のブームで、機能性成分とか科学的証拠のエビデンスをつけた商品を作る研究があり、それを担う人材がまだまだ足りない」

ウコンやシークヮーサーなどの商品の良さを科学的に証明できる理系の人材が求められているのです。

また、活躍の場は今後、文系の分野にも及ぶと先輩理系女子は話します。

『例えば、出版社ひとつにしても、理系のバックグラウンドを持って、理系の内容を正しく伝えられる人が少ない』

活躍の場は確実に増えてきているようです。

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講談社・岩田俊さん「(理系女子が増えると社会は)間違いなく元気になる。モノを作ったり、仕組みを作ったりというベースはサイエンスで、そういうところにもっと女性の目線が入ると、暮らしやすくなったり、感性豊かなものが世の中に溢れてくる。もっと女性が日本のサイエンスの世界で力を発揮してくれればと思います」

きょうの実験で科学の楽しさを知り、先輩から理系の将来性を確認した「理系女子」。この実験教室が、若い彼女の視野を大きく広げたようです。未来の科学者や研究者は、もう育ち始めています。