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先週末、三重県鈴鹿市で行われたソーラーカーの耐久レース。沖縄からは南部工業高校と長嶺中学校の合同チームが出場しました。その名も「チーム・オキナワ」。高校生と中学生が一緒に作り上げた2台のソーラーカーで挑んだ4時間のドラマ、比嘉カメラマンのリポートです。

「DreamCup ソーラーカーレース鈴鹿2010」はおよそ5kmのコースをバッテリーの性能や車体の規格、年齢制限など5つのクラスで展開される耐久レース。

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南部工業と長嶺中の15人の生徒たちの合同チーム「Team OKINAWA」は、おもに18才以下のメンバーで構成される「ENJOY I」クラスと、一般参加の「ENJOY II」クラスの4時間耐久レースに挑戦しました。

南部工業高校2年・金城孝作部長「僕達の活動は自分達の力だけじゃなくて、沖縄の企業とか僕達の活動を応援してくれる沖縄県民のおかげで成り立っているので、その方々の応援にこたえるためにも、一生懸命頑張るつもりです」

長嶺中学3年・根路銘国真くん「支援して下さったスポンサーの方々への恩返しになりますし、3年間の締めくくりに恥じないような結果を出したいです」

『OUT BACK』は新入生たちが作った車。今回「ENJOY II」クラスに出場です。

一斉にスタートした車の中に『OUT BACK』の姿はありません。実はウィンカーの不具合でスタート出来なかったのです。走り出したのは、スタートから29分後でした。

4周走ったところで、またトラブル!

南部工業3年・神里太貴くん「ボディーが壊れたみたいで戻ってきました」

ボディーの破損、そして修理不可能なサスペンションからの油漏れで、無念のリタイアを余儀なくされました。

南部工業2年・金城孝作部長「やっぱり準備不足もありますが、やっぱり失敗することも、失敗の中にも意味があると思うので、1年生の成長も少しは出来たかと」

しかし生徒達には落ち込んでいる時間はありません。翌日の「ENJOY I」クラスがひかえています。2年生と3年生が作った『Lightning OKINAWA』の整備に取り掛かりました。

南部工業2年・金城孝作部長「少し手前に、そうそうそう」

二日目の朝。みんなの優勝への夢をつなぐ『Lightning OKINAWA』はいよいよコースへと進んでいきます。

好調なスタートをきった『Lightning OKINAWA』。2周目にブレーカーのトラブルで3位に後退したものの、序盤はペースを維持。表彰台への夢が近づいてきます。

気温34度という猛暑にもまけず『Lightning OKINAWA』は勢いよく走り続けます。しかしこのとき、太陽電池の残量を示す計器が故障していることに誰も気付いていませんでした。

トラブルに気付いたのは2時間後、ドライバー交代の時でした。再スタートしたもののペースダウンを余儀なくされ、順位は3位から7位へ。

南部工業2年・金城孝作部長「前半でちょっと使いすぎたみたいで、ほとんどバッテリーがなくなっています。まずいですけど、バッテリーがなくなっても走るのを止めたら少し回復するので、それで騙し騙しやっていきます」

今にも止まってしまいそうな『Lightning OKINAWA』。スタートから3時間後、ついに充電のために車を止めます。わずかな充電時間、しかし生徒たちには長く感じられます。

そして、再スタート。ゆっくりと走りだしましたが…。

チェッカーフラッグが振られてから14分後、『Lightning OKINAWA』は生徒たちの元に帰ってきました。

堂々の完走、成績は10位。しかし、生徒たちに笑顔はありません。優勝を目指してきた彼らにとっては辛いゴールでした。

長嶺中3年生・根路銘国真くん「予想より結果があまりすぐれなかったので、ちょっと悲しいですけど、みんな頑張ってきて出た結果がこれだったので悔いはないです」

南部工業2年・金城孝作部長「表彰台に登れるかと期待はしていたが、やっぱりレースは何が起こるかわからないので、こういうこともあると思います。できたら僕はもう一度やりたいなと思います。今度こそ優勝目指してしっかりと走りきりたいなと思います」

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今回の結果は残念でしたが、チームには次の目標が待っています。Team OKINAWAがめざすのは、来年、オーストラリアで開催される3000kmの大陸を縦断するという、世界最大のソーラーカー競技大会に挑戦します。

表彰台を目指してひとつになった15人の生徒たち、来年を目指して、また走り始めます。

生徒達はすでに沖縄に戻ってきて、さっそく大陸縦断用のソーラーカー製作に取り組んでいます。今回の経験、ぜひ来年に生かしてほしいですよね。