今月から、中国人の個人旅行ビザの発給要件が大幅に緩和されました。中国人観光客の増加が予想されていますが、そんななか、沖縄のPRに大きな影響を与えるとみられる中国のテレビドラマのロケが県内で行われました。実近記者です。
今月６日に、沖縄ロケがクランクインしたのは、中国・台湾の共同制作による国際ドラマシリーズの最新作「陽光天使」。シリーズの前作は台湾で年間最高視聴率を獲得する人気で、今回は台湾のみならず、日本やアジアで高い人気を誇るトップアイドルグループ飛輪海のウーズンさんと歌手で女優のレイニー・ヤンさんの２人が主役を演じます。
ファン「夢かと思いました」
撮影現場では、台湾や日本の熱心なファンの姿も見られました。
ファン「お目当ては、ちなみに、ウーズンです。ものすごく、もう言葉にならないくらい大好き。こんな素敵な人っているんですね」
中国、台湾のテレビドラマの撮影で日本がロケ地としてこれほど本格的に取り上げられるのは初めてと見られます。
ドラマは、沖縄の離島に住む少女が、日本への進出を狙う上海の化粧品会社の若い男性と出会うというもので、ストーリーは沖縄、上海、台湾を舞台に展開されます。
実近記者「ビーチでの撮影が行われています」
撮影は、県内のリゾートホテルや離島、ビーチ、観光施設など様々な場所で行われました。
ウーズンさん「みなさん、こんにちは。私はウーズンです。ドラマを通して、すごくすごくきれいな沖縄が見れると信じています。沖縄に住む人はとても長生きすると聞きました。ここで撮影することによって、少しでも寿命延びるかなと思っています」
レイニー・ヤンさん「沖縄のきれいな風景は、画像や絵では伝わりません。是非みんなここに来て体験してもらいたい、感じてもらいたい。このきれいさを自分の目で確かめてほしいです。街とか自然だけのきれいさだけでなく、沖縄の人もとてもいい。とてもいい印象です」
去年、中国で正月映画として公開され、歴代興行成績１位を記録したこちらの映画。ロケ地に北海道が取り上げられ、特に公開後、ロケ現場の阿寒湖を訪れる中国人が前年の７倍に急増するなど、中国での北海道ブームの火付け役となりました。
中国側制作会社・孫軍社長「『陽光天使』を沖縄に持ってきたのは、実は北海道で撮影された映画の影響を受けたからです。北海道の映画で（北海道観光に）あれだけの影響があったのだから、陽光天使も沖縄で撮影されたドラマでも同じような影響がありでしょう。これは沖縄のために作ったんです」
昨年度、中国内陸部から沖縄を訪れた観光客は１万8000人。今月からは、日本を訪れる中国人に対するビザの発給要件が大幅に緩和されるなど、中国内陸部は沖縄観光にとって今後、最も期待されるマーケットとなっています。
沖縄県も、今回のドラマに熱い視線を送ります。
安里カツ子副知事「映像でのPRは『行ってみたい』とそれぞれの気持ちに訴える力がある」
名護市商工観光課・糸数幸平主事「やっぱり（ロケ地の）名前を知ってもらえるっていうのは一番メリットだと思う」
かりゆしウェアを着た主人公の２人。この日は本部町の備瀬で、水牛車に乗り並木道を巡るシーンの撮影。キャスト、制作陣もすっかり沖縄を堪能しました。
ウーズンさん「（Q：ドラマの沖縄観光への影響は？）あると思う。撮影チームがとても力を入れていて、ヘリコプターでも撮って、沖縄の全貌が映っている。いろんな撮影地を回って、とてもいい」
レイニーさん「いろんな人がすでに沖縄に来ていると思う。観光名所になっていると思うけど、私たちのドラマを通してもっと来る人が増えたら、一つの大きな仕事をやり遂げたことになるわ」
早くも、ドラマの効果を見込んで、動き出している企業もあります。こちらのチャペル。ロケ地の一つとして使われました。
リゾートウェディングを手掛けるこの会社では、数年前から中国内陸部にマーケットを拡大。中国人カップルの取り込みを強化しています。
沖縄ワタベウェディング営業部東アジア担当・座安真紀マネージャー「（ドラマで）沖縄観光と海外挙式の普及に向けていい効果が得られるのではないかと期待しています」
ドラマの放映による、知名度のアップを狙います。
沖縄では、今月から来年２月までの北京とのチャーター便の就航がすでに始まるなど、中国内陸部をターゲットに誘客を強化する動きは徐々に加速しています。
こうした中、沖縄の魅力を余すところなくフィルムに収めたドラマの効果が期待されています。ドラマは来年春、中国と台湾で公開されます。
今年、県内では、この他にも、中国の映画やドラマの撮影が予定されているということで、沖縄をＰＲするのにまたとない機会と言えそうです。このいい機会を、しっかりと活かしていきたいものです。