参議院選挙には4人が立候補していて、社民・社大推薦の山城さん、共産党推薦の伊集さん、幸福実現党公認の金城さんの新人3人が自民党公認で現職の島尻さんに挑むかたちです。
シリーズでお伝えしている2010参院選。3回目のきょうは各候補者の選挙公約、マニフェストを徹底比較します。実近記者です。
「どこが違うのかなというのは、正直、分かりづらいです」「分かりづらいと思いますよ」「分からないです。なんか似たようなので、いいことばっかり言ってますけど、よくわからないです」「分かりにくいですね」「普天間の問題も、だいたい似てるし」
ついに動き出した参議院選挙。各候補者、様々な政策を打ち出していますが、実際、県内の有権者にとっては、その明確な違いが「分かりにくい」という声も上がっています。今日は、そんな各候補者が打ち出している公約、マニフェストを徹底比較します。
最大の争点と言われながら、違いが分かりにくい普天間基地の移設を中心とする基地問題については、山城さんは普天間を名護市辺野古に移すとした日米合意の撤回、県外・国外移設のほか、地位協定の全面改正などを求めています。
伊集さんは、日米合意の白紙撤回、移設を条件としない無条件撤去のほか、将来的な安保条約の廃棄を訴えています。
島尻さんは県民の民意を尊重し県外移設を求めていて、普天間の早期の危険性除去のほか、地位協定の見直しに取り組みたいと訴えています。
今回の選挙、争点の一つとなっている消費税の引き上げについて、山城さん、伊集さんはそれぞれ増税に反対する姿勢をはっきりと明記しています。これに対して、島尻さんは自民党が税率10%への引き上げを明記する中、増税に反対する姿勢を示していて、慎重な態度です。
このほか、各候補者のマニフェストの特徴としては、労働組合出身の山城さんは非正規社員の処遇改善など、労働問題の解決を強く訴えています。
医師の伊集さんは、国保税の大幅な引き下げなど、医療・福祉の充実を強調します。
そして現職の島尻さんは、新産業の創出や人材育成など、県経済の活性化を強く訴えています。
去年の衆院選では普天間の県外移設を掲げて当選した民主党が、結局は県内移設に舵を切るなど、マニフェストへの県民の不信感は高まっています。
「もう前例があるから信用できないみたいな、もう読む気もしないみたいな」「3割ぐらいですかね、信用してません」「ゼロ、信用度はゼロ。ほとんど覆されてるし」
こうした厳しい声に各候補はー
山城候補「政治家の命は、公約そのものです。私はその意味で、これから発信していく、発言していく私の発言、あるいは公約には、実現をしていく。そのことなしには政治家はたっていけないと思います」
伊集さん「公約の中身は、政権をとったら基本的には全部出来るはずです。そして政権がとれない間は、それにいかに近づけるように環境を変えていけるか。海兵隊はないと言ってきた人が、政権をとったら海兵隊は必要ですというふうなもののほうがおかしいんだと」
島尻さん「さった衆議院のマニフェストがサギフェストと言われているような状況を見て、これはやらせて下さいと言った公約については、100%実現に向けて頑張っていくというのは当然だと思います」
自身のマニフェストを守ることを固く誓った各候補者。各政党のマニフェストだけでなく、こうした候補者個人のマニフェストは、チラシやホームページでも確認できます。大切な一票を投じる前にじっくりと比較しておく必要がありそうです。
普天間の県外移設や消費税増税反対。確かに、どの候補も同じような政策を街頭で演説しているように聞こえます。しかし、マニフェストなど、いざ活字での記述となると、各候補者、微妙な表現の違いが見られますから比較したいものです。