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ひと組の夫婦の関係を通して戦争の不条理を描いた映画、「キャタピラー」がおとといから桜坂劇場で上映されています。主演の寺島しのぶさんと若松監督にこの映画にかける思いを伺いました。岸本記者です。
「少尉の忠列なる武勲軍人の鏡であります」中国大陸での戦闘で両手・両足を失い、ふるさとに戻ってきた日本兵。「生きる軍神」として祭り上げられる夫を寺島しのぶさん演じる妻、シゲ子が看病し続けます。
身動きのできない体になっても夫の性欲と食欲は変わらず、シゲ子はその生活に疲れを感じていきます。
寺島しのぶさん「本当にシゲ子を通してこの気持ちは何なんだろうって。彼(夫)が悪いわけではないし」「でも彼を責めるしかないっていうか、今ここにあるもっと大きなものを責めたいんだけど、シゲ子は彼を責めるしかないっていう、そこがまた切なくて」
農村に暮らす夫婦の心の闇を通して、若松監督は「戦争の愚かさ」を伝えたいと語ります。
若松孝二監督「戦争というのは、正義の戦争はないんだと。戦争はただの人殺しだ。もうそれを感じてくれたら、この映画を作った意味があると思います」
映画「キャタピラー」は来月16日まで那覇市の桜坂劇場で上映されています。