夏の甲子園をかけた全国高校野球選手権沖縄大会はいよいよ明日開幕します。3週間にわったってお伝えしてきた「めざせ甲子園!」もきょうが最終回。おおとりを飾るのは春の甲子園で日本一になり、春夏連覇への大きな期待がかかる興南高校です。
今年春のセンバツ甲子園で学校史上初、県勢としては3度目の日本一の栄冠を手にした興南高校。
去年の春と夏の甲子園初戦敗退という悔しさをバネに挑んだ興南はエース・島袋洋奨のトルネードに加え、キャプテン我如古を中心とした打線が爆発した!
誰もが酔いしれた日本一だったが、興南の我喜屋優監督は翌朝、恒例の散歩の時間に桜の木を前にナインにこう語る。
「こんなに満開の桜の木もやがて花を散らす。だが、木の根っこがしっかりしていれば、もう一度花を咲かすことが出来る」
優勝した翌日、すでに興南ナインの目線は夏へと向かっていたのだ。
真栄平大輝一塁手「(春の優勝で)終わりじゃなくて、自分達は春が終わった後から夏に照準を向けてやっていたので」
我喜屋優監督「皆で常に見失ってはいないかという形をとっていますから、あまり優勝したとかは頭の中にないんじゃないですか、もう」
我如古盛次主将「大事なのは自分達の野球。足元を見て野球をするというのが大事なので」
彼らの言葉はすぐに実証される。春のセンバツから戻った興南は、チャレンジマッチで疲労が残るエース島袋をベンチで休ませたが、そのあとを受けた砂川大樹や2年生の川満昂弥が活躍、準優勝を飾った。
勢いの落ちない興南は続く九州大会でも貫禄勝ちで九州制覇を達成。一切の油断がない興南野球を実証してみせた。
春の優勝はあくまでも通過点に過ぎない。この夏、興南ナインはさらに進化成長を遂げていた。春夏連覇に燃える興南、その厚みのある戦力は!
我喜屋監督の総合評価は15点。持ち味の強力打線も3.5と辛評だ。
興南の柱はこの夏もやはりエース・島袋洋奨。MAX145キロのトルネードは追われる立場を意識しながらも、さらに高みを目指していた。
他にも、九州大会で自信をつけたMAX139キロの砂川大樹や、MAX141キロと次のエースとして頭角を表してきた2年生・川満昂弥の存在は、夏連覇の好材料の一つだ。
さらに猛打興南のバッティングも進化を続けている。中でも4番・真栄平大輝はセンバツ甲子園での鮮やかホームランの後、チャレンジマッチ、九州大会と合計4本のホームランを放つ大会ナンバーワンスラッガーだ。
さらに興南といえば、毎年、夏に新たな戦力が芽を出すことでも知られている。
我喜屋優監督「(夏の日本一を目指すためには)同じ戦力よりも、また新しい芽が出てきて欲しいという、競争力を高めるということが必要になってきますよね」
今年の新戦力。それが、高良尚武だ。入学直後の九州大会で早くも2試合に登板するなど、巧みな変化球が持ち味の逸材だ。
島袋洋奨投手「まだまだ自分達も全ての力を出し切っていないの。春の甲子園でも九州大会でも課題は多々あったので、そいういうことを夏の本番でしっかり結果が出せれば良いなと思います」
我如古盛次主将「夏の甲子園に行って優勝することが本当の目標なので、夏に向けて、春以上に強い興南というのを見せていけるように」
我喜屋優監督「浮かれることなくといういんですか。良い練習をして良い水をかけ、良い光をあてれば、成長するのは当たり前のことですから」
伊礼伸也左翼手「上達は限界がないと思うので、しっかり集中して、そのまま向上していって夏に挑みたいです」
山川大輔捕手「夏の甲子園でまた自分達の野球が出来るように頑張っていきたいと思います」
土に根を深く広げる大樹をめざす興南野球!春夏連覇へ向けた新たな伝説が明日、幕を開ける!
『熱い夏!夏だ!! SUMMER!』
県内のみならず、全国の球児が「打倒興南」を合言葉に迎える今年の夏ですから、そのプレッシャーはあると思いますが備えは十分といったところです。
さて、明日開幕する高校野球沖縄大会ですが、QABでは開会式の模様を長島三奈さんをゲストに迎え放送いたします。全チームの入場行進を中心にお送りしますので是非お楽しみに。