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経済成長が著しい中国から沖縄にリゾートウェディングを呼び込もうと、先週、中国からのカップルを対象にしたツアーがありました。実近記者です。

今月15日。中国の重慶からチャーター機で沖縄に到着したのは男女のカップル20組と中国メディア18社。このツアーは、日本のワタベウェディングと婚礼写真中国最大手の重慶金夫人が、中国のカップルに沖縄のリゾートウェディングを売り込もうと企画したもの。

20組は中国全土から抽選で選ばれた、実際に結婚するカップルで、今回はモニターとして無料で招待されました。中国内陸部からこれほどの規模のウェディングツアーが企画されるのは初めて。日程は4泊5日。沖縄観光をはさみながら3日目に恩納村のホテルで結婚式を挙げます。

カップル「私たちはとてもラッキーです」「とてもきれいなビーチや海ですね」

こちらは、中国にある日本企業で技術者をするチョンさん。

チョンさん「結婚式の場所は、ロマンティックな場所を探していました。(沖縄は)美しいですし、人がとても優しい」

ほぼ全員が沖縄は初めて。去年7月、日本政府は中国人の個人旅行ビザを解禁。国内を訪れる中国人はおととし100万人を突破、県内でも確実に増えています。招かれた中国メディア18社はテレビや新聞、インターネットなど様々な媒体から。ホテルなどの施設や自然環境など、沖縄観光の魅力を取材しました。

イーストデイ ドットコム 日本情報サイト編集者・スウ トウさん「予想以上に素晴らしいです。北海道で撮影された映画は中国で大人気です。沖縄についての映画とかをもし中国、特に上海で公開すればブームになるかもしれない」

挙式当日、ホテルにはすっかり華やかになった新郎新婦の姿がありました。

チョンさん「緊張します」

チョンさんたちの挙式が始まりました。こうした西洋風チャペルでの挙式は、中国内陸部ではまだ一般的ではありません。

終始緊張したという、チョンさんたち。

ワタベが去年県内で取り扱ったリゾートウェディングはおよそ4000組。海外カップルの本格的な受け入れは2007年からスタートさせ、去年は100組、今年は倍の200組を狙います。リゾートウェディングのパイオニアとして、今後、海外客を対象にした新しいモデルをこの沖縄から成功させる戦略です。

沖縄ワタベウェディング・翁長良晴社長「将来を見据えたときに、日本の少子高齢化は間違いないことですから、マーケットは縮小していきます。その時にどこに新しいマーケットを求めるか。幸いなことに、沖縄の周りにはまだまだ人口が成長しているアジアというマーケットがあります。いよいよ、大陸に足がかりをつかめたのかなという自信のようなものがわきました」

チョウさん「感動しています。チャペルがロマンチック」

カップル「日本人のサービスがとてもいい。仕事が細心で真面目で、とても印象深いですね」

カップル「絶対流行ると思います。中国にも裕福な人はいます。でも手ごろな値段で、きれいな環境なところはない。中国ではサービスも施設も日本ほど発展していません」

重慶金夫人・チョウ ションジゥンCEO
「中国でこれから毎年1000万組のカップルが籍を入れます。仮に1万分の1(を誘致)だとしても1年に1000組です」

中国メディアも、挙式の模様をつぶさに取材しました。

女性向け情報サイトの編集者「(感動して)涙が出ました。中国式とは違います。昔は欧米の映画の中だけのシーンだったけど、きょうは実際に見て感動した」
 南京の新聞記者「(一般の挙式費用は)日本では40万円から150万円かかると聞きました。(費用的にも)南京でもあまりかわらない」

しかし一方で、いくつかの課題を指摘する声もあります。

南京の新聞記者「とても少ないです。沖縄に来る前に、沖縄の情報はほとんどありませんでした」
 結婚情報サイト編集者「沖縄県は上海にしか事務所を置いていない。内陸までは、なかなか情報が広がらないでしょう」

沖縄県も今後、海外事務所の拠点やスタッフを増やし、中国内陸部にターゲットを拡大する方針です。

安里副知事「(誘客ターゲットは)内陸にどんどんいっています。内陸は海は見えないが、沖縄には海がある。そういう意味でかなり関心がある。だから内陸の方々がどんどんこちらにおみえになるんではないか」

人口13億、1年間に入籍するカップル1000万組。巨大マーケットから、沖縄にどうウェディングを呼び込むか。国際化を目指す沖縄観光の試金石ともいえるプロジェクトが動き出しています。

このツアー、まだ那覇空港と定期便のない中国の内陸部ということですから、大きな可能性がありそうです。沖縄観光、国際化の新たな起爆剤として期待が高まっています。