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認知症のお年寄りが少人数で生活するという形の介護施設「グループホーム」。先日、札幌のグループホームで火災が発生していて、お年寄り7人がなくなりました。どうすれば入所者を守れるか「地域が支える介護」に取り組んでいる施設を取材しました。

今月13日、北海道札幌市で発生したグループホーム火災。施設は全焼、9人の入居者のうち7人が亡くなり、2人が負傷するという痛ましい事故になりました。消火器などの点検報告は数年間おこなわれず、消防計画も提出されていませんでした。

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これを受け、国は各都道府県に対し、認知症高齢者グループホームの非常災害時の通報体制や避難訓練が行われているか、またスプリンクラーや火災報知機、火災通報装置が設置されているかを点検するよう通達しました。

参加者「現場から『夜勤はどうしても日中と比べたら体制がうすくなるので不安を感じる』という声があります」

認知症であり、介護が必要なお年寄りが暮らすグループホームでは通報が遅れる、避難行動が困難という点があり防災設備を強化する必要がありますが、既存のホームは施設整備、人員増加は難しいという問題もあります。

那覇市内の少人数グループホームは現在12箇所。二か月に一度の運営会議を開いて現場の声を聞いていますが、施設経営に関する悩みの声が寄せられています。

那覇市健康保健福祉部ちゃーがんじゅう課・岸本課長「介護報酬もすごく少ない金額で、夜間の勤務者を増やすのも難しいという声も出ています。(Q:介護報酬の上乗せになると思うんですが那覇では?)那覇市では年間91,250円です。(Q:これでは人件費増額というには…)非常に難しいと思います」

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現在、改正された消防法では、既存施設にもスプリンクラーなどの設置が義務付けられ、その交付金もありますが、数百万かかる設置費用を補う額とはいえません。また、夜間の安全のために人を増やそうとしても、介護報酬加算では人件費を賄うことができない状況です

岸本課長「実際にスプリンクラーを設置するうえでは、この金額では足りない。事業所に対して負担がでるという声が上がっております」

実際に現場で運営会議に参加する行政スタッフには、こんな声も聞こえてきます。

ちゃーがんじゅう課管理グループ・比嘉主幹「先日あった札幌でも、都市地区独特のもので隣の人の顔も分からないということがあった。実際に那覇市でも現状としてはあると思う。何かあったときに手助けが出来るという、地域に密着した事業所、そういう形で運営を目指して頂いてるところなんですが」

ちゃーがんじゅう課管理グループ・石嶺主査「非常時には手助けして頂けるというのが理想の形ではあるんですが、そこまでどういう風に持っていくかというのが難しいと管理者からは話を聞いている」

運営会議でいつも出る意見は地域との連携です。どうやって地域と交流し、地域でケアをし、火災や緊急時に手助けを求められるような関係を作るか。グループホーム自体を知らない人も多いなか、それぞれのホームでは努力を重ねています。

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那覇市内12施設のうちのひとつ「たけとんぼ」。去年3月にオープンしたばかりの快適な施設には、73歳から92歳の入所者9人が共同で暮らしています。

食事や入浴、リハビリなどの世話をするスタッフはパートやケアマネージャをふくめ10人。毎日必ず4~5人のスタッフが常駐しています。

比較的新しい施設なため、スプリンクラーや警報器、火災通報防災設備も整っています。しかし管理者は設備の充実と合わせて欠かせないのは、地域との連携だと考えています。

グループホームたけとんぼ管理者・平田さん「やはりまだ地域に根付いていないという部分もあるので、広報活動として自分たちが奉仕していく、地域に奉仕することでホームの認知度をあげてわかってもらう。となり近所もそうだし、地域ぐるみでみんなを守るという形のものであったらいいなと」

スタッフは入居者の介護や世話の合間、付近の清掃活動をおこなったり、買い物も入居者とともに出かけるなどしてホームの存在を知らせています。近所の子が遊びに来たり、去年から「グループホーム訪問」のかたちで付近の小学校との交流も始まりました。

平田さん「ホームってどういうところなのか。実際、認知症のお年寄りにはどんな方がいるのか、お年寄りはどんな方なんだろうという実習ができないかと、お互いに依頼して、去年から受け入れが始まっている」

個々の人格を尊重し、利用者が穏やかな生活を送ることを目的にしたグループホーム。その実現のために、ホームから高齢社会へのメッセージを発信したいと平田さんは考えています。

平田さん「在宅で認知症を抱えているご家族の不安だったり、どんなホームや施設があるのかという情報提供だったり、認知症に対する勉強会、どう対応したらいいかをうちから発信できるような形を考えている」

行政による十分な防災設備の整備の他に、地域との連携はさらに重要です。このつながりを作る努力を介護の現場の方だけに任せるのではない、あらたな取り組みが必要です。