自民党の谷垣総裁がきのうから2日間の日程で沖縄を訪れました。普天間基地の移設について鳩山政権が今月中に政府案をまとめると言う中での訪問、谷垣総裁の意図は何だったのでしょうか。岸本記者のリポートです。
岸本記者「自民党の谷垣総裁が辺野古公民館に到着しました。政権交代から半年。野党として何を語るんでしょうか?」
党の再生に向けて、国民の声に耳を傾ける「なまごえプロジェクト」の一貫で沖縄を訪れた谷垣総裁。
辺野古では、鳩山政権が普天間基地の移設先の一つとして検討しているシュワブ陸上案について、地元の代表から意見を聞きました。
大城康昌辺野古区長「普天間基地をそのまま、騒音もそのまま持ってくるような案は駄目だと。シュワブ陸上案に関しては断じて、我々は体を張ってでも阻止するという気持ちである」
陸上案に強く反対する地元に理解を示した谷垣総裁は意見交換の後、こう述べました。
谷垣総裁「(Q:政権を今後、取り戻した場合は沿岸案に戻す可能性はあるのか?)それは可能性としてはあると思う。ただ今の段階で(鳩山政権は)きちんとした定見もなく、今まで積み上げてきたものを滅茶苦茶にこねくり回して非常に難しくした。まず、政権の場で、これをどう打開していくのかを示さなければ、無責任も甚だしい」
しかし、野党になった自民党への反応は冷ややかです。
辺野古漁協・古波蔵広組合長「4年後に沿岸案に戻すなんて待っていられない。鳩山政権が5月までに決めると言っているのだから」
そして今朝は、仲井真知事と面談。
政府が検討している県内移設の案について「情報が入ってこない」といら立つ知事に対し、谷垣総裁も安全保障の問題を鳩山政権には任せられないと怒りをあらわにしました。
仲井真知事「様々な県内移設案が取りざたされるが、それは政府の誰かが情報を流しているということだろう。何で県に情報を流さないのか、政府にクレームをつけている。あまり信用されていないのか」
谷垣総裁「我々がやってきた過去の努力を滅茶苦茶にしておいて。これだけ滅茶苦茶にしたならば、それに対してしっかりとした対応策を作らないとならない。(自民党が鳩山政権を)批判しているだけというような議論は、この問題については、私は受け付けません」
この後、普天間基地を視察し、一日も早い危険性の除去の必要性に言及した谷垣総裁ですが、自公政権時代にこの問題を解決できなかったことをすべて棚上げにした発言という印象を拭えませんでした。
返還合意から13年も基地が動かず、辺野古の住民を二分し、その間に墜落事故も起きた背景には、前の自公政権が県内や辺野古への移設にこだわったということがあります。
そしていま、鳩山政権は県外、国外移設を目指しているはずですが、政府与党から次々と県内移設案が飛び出すという現状。県内移設では解決しないということを政治家は誰も学んでいないのでしょうか。