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人類学上かつてない大発見だという研究者もいます。
石垣市白保の新石垣空港建設予定地内の洞穴で、2009年7月に出土した人骨は、直接、骨を分析した中では日本最古となる2万年前のものであることが明らかになりました。
県教育庁によりますと、県が2009年7月に行った新石垣空港建設予定地内の複数の洞穴調査で、白保竿根田原洞穴から人骨4点が出土。この人骨のコラーゲンを抽出し、東京大学の研究施設で放射性炭素年代測定をした結果、人骨は2万年前のものであることがわかりました。
これまで最古とされている那覇市の「山下町第一洞穴人」の3万2000年前は、周辺の木炭や貝殻などから計算されていました。しかし今回の白保竿根田原洞穴人骨は、人骨から直接コラーゲンを抽出して測定した結果で、人骨自体からの年代測定によるものでは日本最古だということです。
これにより2万年前の旧石器時代に石垣島にヒトが住んでいたことが証明されたことになります。調査グループの琉球大・土肥直美准教授は「港川人についても様々な議論があった。今回さらに南の石垣島で確実に2万年前に人が存在したというその証拠が得られたわけです。日本人のルーツを考える意味でも大きな前進」と話しています。
県教育庁・文化課は4月以降も空港建設予定地内にあるこの洞穴で再度、総合的な発掘調査を継続実施し、新たな人骨の発見を目指すとしています。