ことし1年の出来事を振り返るシリーズ「激動沖縄2009」1回目のきょうは、「夏の衆院選」についてです。民主党が圧勝、自民党が政権を失った夏の総選挙。日本にとって歴史的な出来事を振り返ります。
7月20日 河野洋平衆議院議長「衆議院を解散する」8月18日下地幹郎さん「政権交代をして新しい政治の形が、新しい政策の提案をしない限り、この社会は明るくならない。何が何でも政権交代を行いましょう」
嘉数知賢さん「わが国の浮沈をかける選挙になりました。私ども自民党、公明党がこれまで10年間、しっかりわが国を支えてまいりました。その10年間の評価をあらためて国民に問う」戦後この方、この国の政治を司ってきた自民党政権に対し、「政権交代」を掲げた民主党を中心とする野党が挑んだ今年の衆議院総選挙。
政権の長期化が政策に行き詰まりみせ、貧困と格差社会という閉塞感の中で、国民が「政権選択」という言葉をより身近なものとして実感した選挙でした。沖縄の4つの選挙区に自前候補を立てた自民党。野党の民主党は3区と4区に独自候補を立て、野党間協力で自民党と対抗しました。
8月26日 小沢一郎民主党代表代行「4選挙区、沖縄県全部、衆議院議員として国会に送ってください」
「政権交代」という勢いに乗る民主党は党の顔、小沢代表代行が沖縄の全選挙区を回り、政権交代を印象付けました。対する自民党は、大物議員自体さえ危ない選挙とあって、いつもの応援風景は見られず、政権交代の嵐に飲み込まれていったのです。
8月30日 玉城デニーさん「自民党政治に対して政権に対して、もうこれ以上、国を任せることが出来ないという本当の意味での政治への目覚めといいますか、不満のマグマが噴出したんじゃないかなと思うんですね」
嘉数知賢さん「訳の分からんといった方がいいのか、風の吹き方が猛烈な台風となって私どもに襲い掛かってきた。それに吹き飛ばされた」かくして、自民党は沖縄における衆議院の議席をすべて失ってしまったのです。
12月17日 翁長政俊幹事長「信頼度というものが失われて、今回の衆議院選挙での大敗につながって、自民党が国政の政権の座から落ちたということになってしまいました。残念の一言に尽きると思っています」
9月15日 玉城デニーさん、照屋寛徳さん、下地幹郎さん国会へ登院。瑞慶覧長敏さん「相当な責任を負っていますので、その責任感、重みを感じますね」また九州比例区で議席を守った共産党の赤嶺政賢さんは、雇用や社会保障の充実に取り組む決意を新たにしました。
新政権が発足して3か月。県内の政党の評価は分かれます。12月17日 新垣安弘民主党県連幹事長「民主党政権になって特に基地問題に関しては沖縄の立場に立って、しっかりと対米交渉をしていく政府がようやく誕生した」
新里米吉社民党県連書記長「長い間、自民党中心の政権が続いて政官業の癒着構造ができておりましたが、それを断ち切っていくという意味でも非常にいい効果が出ている」しかし、沖縄の基地問題で迷走を続ける新政権に、自民党は厳しい見方をしています。また来年は参議院選挙と知事選挙が控えています。新政権に対する今後の国民の評価がどう表れて行くのかも注目されます。
翁長政俊自民党県連幹事長「マニュフェストに書いて国民と約束したことが実行できていない。そういう意味では国民の支持がこれからもっと鳩山政権の政権運営に厳しい目が向けられていきますので、支持率も厳しいものになってくるのではないかな」
新しい政治の誕生を期待された鳩山政権。その期待を裏切らない政治の確立に向けた新政権と沖縄選出の議員の力が、今、試されています。
国民が望んだ政権交代。誕生から4ヶ月、新政権への厳しい声が聞こえる中で私達が求めた変化を新政権がどう実現させるのか目が離せません。来週月曜日のこの1年を振り返るシリーズは、「スポーツ」です。