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問題が持ち上がって2年余り。新しい政権に再び訴えです。

文科省の教科書検定で沖縄戦のさなかに起きた集団自決の記述が書き換えられた問題で、記述の回復や検定制度の公平性を求めようという集会が那覇市で29日に開かれています。

文科省の教科書検定に抗議して、主催者発表で11万人余りが集まった県民大会から2年。午後6時からスタートした集会には、老人クラブ連合会やPTA連合会、そして民主党をはじめ、各政党からも議員が参加しています。

この問題は2007年3月に発表された文科省の教科書検定で高校歴史教科書の集団自決の記述から「日本軍の強制や命令」といった表現が削除されたものです。これに対しては戦争体験者などから軍隊の本質を隠すもの、戦争を美化するものだと抗議が上がりましたが、文科省はかたくなな姿勢を崩さず、記述は元通りにはされませんでした。

子ども会育成連絡協議会・玉寄哲永会長は「沖縄での軍命による集団自決はまぎれもない歴史上の事実。それを歪曲するから問題視しているわけです」と話し、渡嘉敷島集団自決での生存者・吉川嘉勝さんは「語り継がないと皆忘れてしまいます。政権が変わったし文科省などこれまでの流れが変わってくれないか」と話しています。

問題が持ち上がった2年前、国会では民主党の議員が中心になり、政府に対して検定制度の透明性を質した経緯があります。こうしたことから、集会の実行委員会では政権交代をチャンスと捉え、10月早々にも上京し、鳩山総理などに対して、教科書の記述の回復、そして検定制度の見直しを求めることにしています。