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検証・動かぬ基地です。鳩山内閣の誕生からあすで一週間。新政権誕生によって県内でも、泡瀬干潟の埋め立て事業の方針転換など様々な分野で変化が出始めています。そんな中、普天間基地の移設問題はどう変化するのか。あす、ニュ−ヨークでオバマ大統領と会談する鳩山総理。新政権の外交方針や課題に迫ります。岸本記者です。

岡田外務大臣「私達はマニフェストの中で、今言われたような(普天間の県外・国外移設)という表現はしていない」「これは交渉ですから」「そういう意味で、様々なことについて、こちらの望む結論だけを言っていたのでは、交渉になりませんから」

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大臣就任後、総理官邸で行われた記者会見で普天間の方向性について、明言を避けた岡田大臣。民主党のマニフェストには「日米地位協定の改定を提起し、アメリカ軍再編や在日アメリカ軍基地の在り方についても見直しの方向で臨む」と記されていますが、これに注文を付けたのが普天間の県外・国外への移設を主張してきた社民党。

福島みずほ社民党代表「沖縄県民の心情を踏まえというだけではなくもうちょっと踏み込んでね・・」

3党連立に向けた協議の中でも、安全保障政策で調整が難航。県議団も、連立合意文書に「県内移設はしない」という文言を盛り込むよう民主党に要請しました。

新里米吉書記長「今の話、ここでは全部伝えるわけにはいかないと思ってますが」「具体的な話はお互いに腹を割ってからの話ですからね」

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結局、合意文書には、社民党の強い主張を受けて「沖縄県民の負担軽減の観点から」という言葉が加わったものの辺野古移設の見直しといった具体的な表現は盛りこまれませんでした。社民党は、連立政権に加わることを優先し、合意文書の文言で妥協したのではないのか?新里書記長に、再び質問をぶつけました。

新里米吉書記長「連立ありきの立場は取っていませんでした。」「確かに辺野古の文字は出ていないが、それにつながる地位協定・米軍再編・沖縄の米軍基地という言葉があり、それを見直ししていくということでしたので、ここら辺が最低限の合意していく中身であろうということで判断した」

あいまいな表現のまま、最低限のハードルで合意し、歩み始めた連立政権。

キャンベル国務次官補「私達は今回の選挙結果を祝いたい」「これまでで最も強い日米関係を構築したい」

先週金曜、アメリカのキャンベル国務次官補と会談した岡田大臣。普天間の問題を深く掘り下げて議論することはありませんでした。

岡田外務大臣「キャンベル国防次官補が言われるのは、原則は合意されたものということを言われながら」「それでなければ、駄目だというような言い方ではなかったと思う」

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琉球大学の我部教授は民主党の外交姿勢をこう見ています。 

我部教授「国内政策と違って、おっかなびっくりで取り組んでいる所があると思いますが」「変化を求めたいという思いは、民主党の中にあると思うがどの程度の変化をもたらすことが出来るかということについて自信がないんだと思うこれまでの経験がないということもあるし」

しかし、ことし12月迄にまとめる来年度予算に、辺野古への基地移設経費を含めたアメリカ再編の費用を通さなければ、日米の対立が表面化するのは避けられないと指摘します。

我部教授「予算をつけなければ、アメリカとの関係ははっきりと明白に出てきてしまう。だからと言って自分達としては、見直しをしたいと言っているのに、予算を丸ごと付けるわけにはいかない」「となると中間ぐらいになって、丸ごとではなく、どこかを見直しな がらやるのか、とりあえずつけるが、凍結するとか、そういう範囲内で行くのではないかと思われますね」

鳩山総理「民主党に対する国民の期待が続くような形で12月を乗り切っていかないといけないと思う」「民主党が国民の期待に応えていかなければ、必ず、しっぺ返しという失望感がこの国を覆ってしまった時には取り返しのつかない状況になることは間違いない」「私達はまさに勝って兜の緒を締めよ。喜んでいる場合ではない」「行動しかないのだ。そして行動は後戻りすることはないのだと」

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産声を上げたばかりの鳩山内閣。私達県民は、新政権が基地問題にどう取り組み、沖縄の負担軽減を実現させるのか、注意深く見てゆく必要があります

新政権誕生後にANNが行った世論調査では鳩山内閣の支持率は72.4%と歴代3位の高い数字を記録していますが、安全保障政策については、県民から見て、確かにはっきりしない点も多いですよね。辺野古での基地建設をどうするのか。その点について、私達は県内移設に反対の立場で当選した沖縄の5人の議員の活動もしっかり見てゆく必要があります。