シリーズ真夏の決戦、きょうは4区の戦いぶりです。与野党事実上の一騎打ちとなっている4区、「政権担当能力」を訴える自民党候補と「政権交代」を訴える民主党候補の対決の構図はいよいよ鮮明になっています。選挙戦さいごの日曜日、それぞれの候補はどう動いたのでしょうか。
瑞慶覧長敏候補「これまでの4年間、あるいは“失われた10年”といわれている私たちの国民の生活を、きょうこの日から取り戻すスタートの日がやってきたんです」
西銘恒三郎候補「北海道から九州まで、全国の国会議員に絶対に負けない仕事をしっかりやっていく信頼の礎がしっかりできたものと確信しております」
富川満也候補「憲法9条を改正して、憲法に独自の防衛権を固めて、自分たちの国は自分たちで守ると、毅然たる国家を築いていきたいと思っております」
3人が立候補している4区。選挙戦は、前職で3期目を目指す自民公認の西銘恒三郎さんと民主党公認の新人、瑞慶覧長敏さんの事実上の一騎打ちです。
マイクの音量を確かめ、車に手を振り走っているのは、西銘さんです。
Qかつてこういう歩きながら選挙戦を戦う西銘さんの姿ってあまり無かったと思うんですが? 西銘候補「最後の方にはやってたけど。少しでも悔いのないようにね」
選挙戦さいごの日曜日。この日、西銘さんは南風原町内をくまなく回り各区でスポット演説をうちました。その数、なんと数十か所。
Qかつてない逆風といわれる選挙ですけど? 西銘候補「これはもう風が厳しいから。原点は“選挙に王道なし”で。人のつてつて、輪を広げる以外ないから。あとは訴えるべき点を訴えて。経験と実績しかないんじゃないかな、訴えるのは。仕事は負けない!と」
強固な保守地盤の4区。これまでの選挙では対立する候補に2万数千票の大差で圧勝してきた西銘さんですが、今回は様相が違います。かつてない、与党への逆風。選挙区をくまなく回り苦しい選挙戦であることを訴えます。
西銘候補「宮平区民をはじめ、多くの南風原町民の皆さんのおかげで西銘恒三郎、これまでの6年間、国会活動を元気一杯走り続けることができました」
その6年間の実績に真っ向から立ち向かうのが瑞慶覧さん。同じく日曜日は南部全市町村の主要交差点に立ち支援を訴えました。自宅の窓から手を振ってくれる人に、直接握手をしに行きます。
Qお疲れさまです、最後の日曜日ですけど手ごたえは? 瑞慶覧候補「手ごたえ、非常にあります」「何としても頑張ってくれ、という声が届いて来るんですね、いまも二階から手を振ってくれる方がいたんで急いで上がったんですね。とにかく頑張ってくれと」
豊見城 上田交差点。瑞慶覧さんの最大の課題は知名度を上げることです。この日は、民主党の若手議員や県連代表とともに各交差点で演説。追い風をうけ、政権交代を訴えました。
Q追い風を受けて、でも安心ムードではない?瑞慶覧候補「とんでもない、とんでもないです。私は新人ですし今まで皆さんに後押しされる形できてる人間ですから」どれほど追い風であっても、前職・西銘さんの知名度と国会での実績には気が抜けません。
瑞慶覧候補「もちろんそうです、それは最初からそういうつもりで闘ってますので。ただ私は新人で新人を応援してくれる方がたくさんいるんですね。ということは裏を返せば、今まで何をやってきたんだと。いい時はいい、しかし悪くなったら変えましょう、ということですので、ですから私の方に、じゃ長敏、おまえ頑張れ、ということだと思います。頑張ります」
宮古島市総決起大会。西銘さんは7月に宮古島市に選挙事務所をひらき、初の総決起大会や各地での遊説を積極的に行っています。ことし一月に自公推薦の市長が当選したことを好材料に票を固めています。農業支援策や離島振興、これまで政権を担ってきた実績を訴えています。
西銘候補「島の生活を守ることは絶対に沖縄県全体、国益にも、全体のためになるという基本的な考え方を持っています」「政治生命をかけてサトウキビ、生産農家の方々を守って参ります。安心して下さい!」
南風原町で行われた総決起大会。瑞慶覧さんは開始前、支援者を握手で迎えます。農業支援や子育て支援策を示し、政権交代を訴えました。
瑞慶覧候補「言いたいことはたくさんある、農業の方も子どももお年寄りも労働者、農家の方、公務員の方々、われわれ民主党にぜひぶつけて頂きたい。この島尻、宮古・八重山では私、島尻で育った瑞慶覧長敏にぶつけて頂きたい」
民主党本部もさかんなテコ入れをはかっています。この日、応援に訪れたのは石井民主党副代表。
石井民主党副代表「我が党としては最重点候補の一人として、3日前の最高幹部会で決定したのが、この沖縄4区の瑞慶覧長敏であります」
4区には民主党の大物が次々訪れています。鳩山代表や、管代表代行も保守地盤の糸満市で応援演説に立ちました。
一方の西銘さんを応援するのは細田幹事長。昨夜の総決起大会に集まったおよそ800人の支援者に自公路線継続を訴えました。
白熱する選挙戦のさなか、4区を走りつづける各候補者。はたして、風はどちらに吹くのでしょうか?
瑞慶覧候補「訴えるのは政権交代です。今までの政治が国民の生活を忘れてるわけで、それに対して国民は怒ってるわけですよ。だからその怒りを政権交代にぶつけて下さいと、民主党にぶつけて下さいと。わたしチョービンに託してくださいと訴えてます」
西銘候補「経験と実績はまかせてくださいと。仕事は任せて下さいと。選挙は皆さんの力を貸して下さい」「これはもう自分で歩きながら手振ったりしないと分からんよ。最後まで、(投票箱の)蓋が閉まるまで。大事な戦いだね。頑張ります!」
自公連立政権の継続か、民主を中心とする政権交代か。「政権選択」の争点が4区ではまさに浮き彫りとなっています。あすからいよいよ三日攻防、それぞれの選挙区では支持団体や地域の支持を固め、無党派層の獲得に全力をあげる終盤戦が展開されます。シリーズ「真夏の決戦」でした。