こんにちは、ザ・スポーツです。琉球王朝時代からの伝統を誇る「沖縄角力」迫力ある取り組みが魅力のこの世界に一人の女性が挑みました。伝統の世界に飛び込んだ女性力士の戦いと、その結果は?
およそ300年の歴史を持つ牧志ウガン奉納大角力大会。
観客「今の世の中男の人がだらしないじゃないですか、すごい女性が現れて、なんか見ている側もいろんな意味で活性化されて明日からがんばろうって思います」
歴史あるこの大会で観客の視線を釘付けにしたのは、一人の女性力士でした。大城梨沙さん、26歳。去年から一般の男子に交じって沖縄角力に参加、各大会でたびたび上位に進出!実は梨沙さん、柔道で世界学生選手権3位という実力を誇る選手です。
普段のりささんは、中部農林高校の保健体育の先生柔道部の顧問で、クラス担任も務めています。
生徒「最初なんにもできんと思ったね、おとなしくしてないと、倒されそうみたいな」「相談しやすい、話しやすい、楽しいね」
沖縄角力の練習相手は県内の大会で優勝経験をもつ相撲部の和宇慶(わうけ)先生。
和宇慶先生「男子に負けない力があるので、今度の牧志の大会は楽しみだと思います」「僕は優勝してくれると思っています」
教師と選手、多忙な生活をささえるのは、同じ体育教師を務める、夫の隆三さんです。岩手県出身の梨沙さんは、隆三さんとの結婚を機に去年沖縄での生活をスタート。朝6時半に家をでる梨沙さんのためにお昼のお弁当は毎朝隆三さんが作ります。沖縄角力をはじめたのも隆三さんの薦めででした。
隆三さん「去年(赴任先が)久米島だったので柔道する環境がなくて、でも角力が盛んだったから、よかったらどうねえって」
柔道の練習の一環で始めた沖縄角力しかし次第にその魅力にはまっていきます。
大城梨沙さん「相手の力と力が拮抗している状態で、気を緩めたらどちらかがまける心の勝負じゃないですか、その勝負というか緊張感がたまらなく自分はすきなので」
(Q男性と女性どちらを投げ飛ばすことが好きですか?)大城梨沙さん「そうですね、男性を投げ飛ばすほうがきもちいいですかね」
大会当日少し不安げな梨沙さん。しかし試合がはじまると表情は一変します。一回戦、最初から組み合った状態ではじめる沖縄角力相手の背中を地面につければ勝ちです。見事な投げ技が決まり1,2回戦を突破、ベスト4に進出しました。準決勝の相手は、白の天願選手去年の那覇祭りで優勝した強豪です。互いの力が拮抗し、両者、技が決まらない時間が続きます。しかし、積極的に技を仕掛けにいったのは梨沙さん。
試合後大城梨沙さん「野生の感ですかね体が動くのは、反射的に体が動くって感じなので」
勝敗は判定にもつれます。「3対0赤の大城くんが勝ち!」
大会史上、女性初の決勝進出をきめた梨沙さんに会場は沸きます。相手はレスリングで国体5位の実績を持つ金城選手!試合開始から両者決め手に欠く展開「時間!」試合はまたも判定に・・・「3対2で白の勝ち」
判定で惜しくも敗れたりささんは大健闘の準優勝。
試合後大城梨沙さん「練習を積んで、ひとまわりもふたまわりも大きくなった自分で、土俵にあがれるようにがんばりたいと思います」
この大会で多くの声援を受けたりささん次の大会に向けさらに意欲に燃やしていました。軽量級70キロ以下の部門で見事、準優勝を飾った梨沙さん。沖縄角力に誕生したヒロインは来月にはなんと柔道、全日本の試合にも出場するということです。