県議会2月定例会は25日、最終本会議が開かれ、林道建設や泡瀬干潟の埋め立て事業を盛り込んだ新年度予算案が、原案通り可決されました。県議会最終本会議は、新年度一般会計予算案をめぐり、5時間余りを費やして討論と採決が行われました。
この中で、新年度予算案から国頭村の林道建設費と泡瀬干潟埋め立て事業費を削除することについて賛成、反対討論が行われましたが、野党で中立会派の改革の会が事業費の削除に反対に回ったため、この予算削除の案は否決され、結局新年度予算案は、両事業を盛り込んだ知事原案通り可決されました。
このほか、県立病院の独立行政法人化を急がないよう求める決議が全会一致で可決されたほか、新基地建設につながる海兵隊のグアム移転協定に反対する意見書が野党の賛成多数で可決されました。
キャスター「新年度予算を審議する今県議会は、林道事業など多くの問題が注目されました。新年度予算の林道工事費と泡瀬干潟埋め立て事業費ですが、予算特別委員会では、予算から削除する修正案が可決されたにもかかわらず、なぜ本会議で否決されたんでしょう。」
金城記者「まず、予算が原案通り可決されたことについて関係者の声をお聞き下さい。」
伊波義安・奥間川流域保護基金代表「新たに林道を造るというのはどういうことなのか、ということを県を含めて私たち県民は一度立ち止まって考えるためにも、今度の林道予算は削除すべきだっただろうなと思っていましたが、非常に残念でならない」
大嶺進一・国頭村森林組合長「林道そのものは行政が造っていくわけですから、林業現場としてはやっぱり材の利活用を、精力的にいろんな形で県民にアピールしていきたい」
小橋川共男・泡瀬干潟を守る連絡会共同代表「お互いもっと忌憚なく意見を交換する中で、大事な点は何なのかということを、全員のベースになるものを確認した上で、再度、議論を深めてもらいたい」
キャスター「最後に来て野党の結束に乱れが出たのはどうしてでしょう。」
金城記者「中立会派の改革の会には国頭選出と沖縄市選出の議員がいます。どちらも地元では工事や事業に賛成する声が多いんですね。そうなると修正案に賛成できないという事情もあります。そこで野党の足並みが乱れてしまったというわけです。そこで野党の代表に聞きました。」
しかし野党は暫定予算ということは県民に説明がつかず、混乱するだけだと反発。改革の会の足並みが乱れてしまったということです。
新里米吉・野党会派代表者会議座長「野党の5会派からすれば、まだ十分に納得できていないとは思いますが、そのことによって野党6会派の共闘がつぶれてはいけないですので」
キャスター「では2つの事業予算は今後どうなるのでしょう。」
金城記者「それぞれ予算化されたので、執行という方向に向かうことになります。ただ林道については60数本の林道がある中で、新たなこの林道の建設が果たして必要なのかという疑問はぬぐえません。また泡瀬干潟は一審判決で公金の差し止めが命じられたわけで、今回の決議はまさにこれに反した予算決議となるわけですよね。環境団体の反発は必至で、またこれまでの野党の議論は何だったのかと、県民の厳しい目線は注がれ続けます。」