※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

センバツ高校野球大会がいよいよ今月21日甲子園球場で全国32校が出場し開幕します。今年の大会には、九州代表として興南高校が26年ぶりに出場します。去年の大会は沖縄尚学が優勝を飾るなどの活躍もあり興南への期待も膨らみますが、秋の大会から一冬越えた興南ナインのセンバツ目前の状況を棚原さんのリポートでお伝えします。

春の大舞台を前に練習に励む興南ナイン。去年の九州大会が終了して11月以降、約2ヵ月半の間練習の7割を基礎体力作り、3割を技術面の強化に励んできた。そして先月からその割合を逆転させ、技術面に7割の時間を割いてセンバツに備えている。

我喜屋優監督「絶対にケガしないように安全に配慮しろよ分かった?はい」

我喜屋優監督。おととし監督に就任すると、その年の夏の甲子園に出場。我喜屋マジックと騒がれた。今年のセンバツもその魔法に期待がかかるが、我喜屋マジックは普段の練習の中にも見て取れる。練習の最初に行われるウォーミングアップ。毎日1時間ほどかけて入念に行われる。他のチームと比べてもかなり長い。さらに上級生も下級生もない、全員参加の練習では常に実戦を意識させている。

この積み重ねの中で、実力さえあれば、学年に関係なく、レギュラーに食い込めるチャンスを平等に与えているのだ。今年の興南の守りの柱として期待されているのは1年生でありながら、去年の九州大会ではセンバツを出場を手繰り寄せる原動力にもなった島袋洋奨投手。体をやや巻き込むトルネード投法から繰り出すスライダーとツーシームは大きな武器。球速も九州大会から140キロ台にアップしている。また、3番手として控える、砂川大樹(ひろき)投手も同じ1年生だ。実業団の監督経験を活かした我喜屋監督の選手起用は結果、控えに回った上級生へ刺激を与えた。

石川清太投手「やっぱり1年生から甲子園で投げてきてやっぱり」

2年生の石川清太投手は、おととしの夏の甲子園では琉球王子として全国の注目も浴びたが、肩のケガから秋は下級生の島袋投手にエースナンバーを奪われた悔しさを味わっている。

石川清太投手「(エースになれる)チャンスはあると思います」「今現在一番上(3年生)に立っているんですけど、エースナンバーを一回もつけたことがなくて(6秒)やっぱ中学の頃から高校でエースナンバーをつけるのが目標だったので、やっぱりこのセンバツはやっぱエースナンバーやっぱりつけたいですね」

エースへのこだわり。その姿は後輩への大きな刺激を与える。

島袋洋奨投手「石川さんはおととしの夏も(甲子園の)マウンドを経験しているので」「いつでも後押ししてくれる大きい存在です」

「切磋琢磨」チームの中で互いに磨きあいながら興南ナインは成長を続けている。

ところで、今年センバツに出場する32校の中で興南の実力はどのレベルなのか?チームの実力を図る打率では興南はチーム打率3割2分6厘で、全国14位に位置している。その打の要になるのがクリーンナップ。現在3番が予想されるのが主将の冨里川奨也。続く4番にはバッティングの調子も上向きな石川清太がいる。

山元弘太二塁手「あまり気負わないように、自分の力を十分に発揮出来るように思いっきりプレーしたいです」「守りの興南」を代表する選手が、山元弘太だ。2年前の夏の甲子園では石川投手と並び、堅い守りで数多くのピンチを救った選手だったが、2年生の中盤までケガに泣いたしかし、完全復帰。大きな戦力が帰ってきた。

我喜屋優監督「1年生中心の興南という九州大会の印象だったと思うんですけど、(2年生)のケガ人がいてはじめての1年生だったので、この2年生がまた復活してきたということも守備面においては力強いですよね」

整列一礼「ありがとうございました!」

7時半を過ぎて練習が終わると、グラウンド近くの寮生はすぐに夕食に入った。寮生は朝から晩まで野球漬けの毎日だが、寮では練習では見られない普段の高校生の表情も見せる。

現在33人の寮生がここで暮らしている。寮に入って初めて自分で洗濯したという選手も多い。翌日は朝6時の練習。就寝時間は夜9時半。今時の高校生には辛いかもしれない。それでも彼らには、それに優る夢がある。

石川清太投手「我喜屋監督と2年間野球をやってきて本当に野球だけじゃなくて生活面でも違いますし」「やっぱり自分だけじゃなくて仲間のことを考えたりそういうことを教えてもらいました」

先月28日、グラウンドで手を合わせる興南ナインの姿があった。勝利を誓ったのは、41年前の夏の甲子園で、興南旋風を巻き起こした時の監督だった瀬長実さん。先月26日、突然この世を去った。瀬長さんは、毎日のようにグラウンドに足を運び、後輩達を激励。自宅のカレンダーにはセンバツの日程が書き込まれ、開幕を楽しみにしていた。旋風再び・・・その夢を空の上から応援してくれる。

春夏通算10度目、節目の甲子園に興南ナインが春の嵐を巻き起こす。

注目の組み合わせ抽選会は来週金曜日興南は、16日には甲子園に向け出発します。以上Qリポートでした。