昨年誕生し、日本リーグに初参戦したハンドボールの琉球コラソンが先週土曜日、ホーム沖縄で行われたリーグ最終戦を勝利で飾りました。今シーズンのコラソンを振り返ります!
琉球コラソン・田場裕也GM「皆さんと一緒に、県民の皆さんと一緒に、日本一を目指していきますので、どうぞよろしくお願いします!ありがとうございました」
琉球コラソンの代名詞、田場裕也は試合後、集まった地元のファンにホーム初勝利を伝えられる喜びに震えていた。
しかし今シーズン、コラソンの道のりは険しかった・・・。去年9月、初のシーズン開幕戦をホームで迎えたコラソン。試合は田場裕也らの活躍で前半リードで折り返す。
後半20分過ぎまでゲームの主導権を握りながらも、体力、運動量の弱さから、自滅する形で勝利を逃す悔しい結果となった。
しかし、内容面では決して悪くなく、逆に次に繋がる試合だったにも関わらず、試合後に選手の口から出る言葉は重かった。
悔しさ・・・。今の自分達に妥協しないコラソンの魂が言葉にあふれていた。
ところが、その後も厳しい戦いは続く。今年2月7日には、田場裕也が足首じん帯を痛める大きなアクシデントに襲われた・・・。
チームの大黒柱を失い、残りの4試合をどう戦うのか・・・。大きな不安が選手を包んだ。しかし・・・。
村山裕次選手「(田場選手が)ケガしたときに、田場さん抜きでも俺らで勝てるようなチームを作ろうということで、よりいっそうチームが団結出来た」
田場を欠いたことで、逆にチーム一人一人の闘争心に火がついたのだ。
そして迎えた最終戦。選手に笑顔はない。何としても地元のファンの前でホーム初勝利を掴み取りたい。数日前からプレッシャーで眠れない夜を過ごした選手も数多くいた。
メンバー登録から外れた田場はベンチ横で熱い視線を送る。
対戦相手青のユニフォーム9位の豊田合成は、この試合に勝てばコラソンを抜いて8位に浮上できる試合だけに気合が入る。
一方、コラソンはプレッシャーからか、ディフェンスがあっさり相手に抜かれてしまう。さらに攻撃でも連携ミスから相手に得点を許す。
しかし、この日は守護神GK22番・石田孝一が大活躍。豊田の厳しい攻撃を前に、ファインセーブを連発。見方の失点を最小限に食い止める。
GK・石田孝一選手「きょうは最終予選。ホームで、しかも今まで勝っていなかったので、絶対に勝とうという気持ちだった」
石田の思いにチームが応える。
主力の5番・村山裕次!23番・水野裕紀。15番・志慶真龍我。
コラソンは何とか前半を食い下がり、1点差で折り返す。ハーフタイム。チームに気合を入れる田場の姿があった。
田場GM「10点20点30点、逆サイドでとられて負けたら俺のせいでOK!大丈夫、今でいい。シュート思いっきり打てって!顔でも近めでも全部打て!全部!これで外れてもOK!大丈夫!」
田場の魂が後半、選手全員に乗り移る。
後半開始28秒!志慶真から21番・高田匠へのスカイプレー!
コラソンの勝利を信じ会場に集まった900人を超えるファンも、チームと一つになったように声援を送る。後半に入ってもキーパー石田がしっかりとゴールを守り抜く。
後半にへばっていた最初の頃のコラソンの姿はそこにはなかった。運動量は落ちず、豊田を圧倒していく。
そして・・・試合はコラソンが36対29の逆転勝利。ホーム初勝利で今シーズンを終えた。
試合後、万感あふれる重いがこみ上げる田場が、ここに至るまでの熱い心のうちを語った。
田場GM「1年前はユニフォームもなく、Tシャツにゼッケンをつけていました。練習会場もなく、夜の公園で練習していました。でも、この1年、日本リーグに参戦し、やっとでホームで勝つことができました。ありがとうございました」
GK・石田孝一選手「自分が止めれば勝てると思っていた。止めているうちに興奮して、無我夢中でした」
高田匠選手「最後の最後で、しかもホームで勝てるということが、今までの勝利よりも今日の勝利がとてつもなく大きいかなと思います」
村山裕次選手「僕のハンドボール人生の中で一番嬉しい勝利」
田場裕也GM「僕らが日本リーグで戦うためには魂しかないので、きょうはよく彼らも見せてくれたと思います」