「原爆の図」や「沖縄戦の図」などで知られる画家丸木位里さんの水墨画展がおよそ2年ぶりに宜野湾市の佐喜真美術館で開かれています。
「反戦画家」として知られる位里さんの別の横顔を見ることが出来ます。
佐喜真美術館にある縦4メートル、横8,5メートルの巨大な絵「沖縄戦の図」。その作者が丸木位里、俊です。
位理は1901年広島県生まれ。水墨画家として風景画などを描いていましたが、原爆が投下されて間もなく広島に入り、惨状を目撃。以来、「原爆の図」などを描き、芸術を通して、戦争の惨たらしさを伝えました。
「沖縄戦の図」では着物や茶碗の柄までが忠実に再現されています。それにはこんな考えが。
戦争をしようとする奴は必ず美化する、ごまかす。しかし、少々のごまかしだと、美化が起こってもビクともしないように描かないといかん、そんなの真実しかありませんね。
「反戦画家」と呼ばれた位里ですが、作品展では違う一面にも触れることができます。
こちらは水墨画家としての力量を感じさせる作品。白と黒というモノトーンの世界のはずなのに、豊かで深い色彩を思わせます。
こちらは闘牛の絵。「沖縄戦の図」を描く旅の途中で描いたものです。
沖縄は宝物だといって大好きだったし、文化も好きでしたね。丸木さんは牛が好きで、山が大好きで、雄大な風景が大好きそういう作品をたくさん作っている。描いた画家なんですけどね、そういうことを今度見て欲しいと思って企画したんですけどね。
企画展では県外の人が持っている県内初公開の絵も9点展示されています。
戦争を目にしてからはその醜さを表現せずにはいられなかった位里。「反戦画家」と呼ばれましたが、
会場の作品の数々からは、人や自然をこよなく愛した温かく優しい眼差しを見つけることが出来ます。
「丸木位里水墨画展」は来月2日まで開かれます。