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きのう糸満市で起きた不発弾爆発事故。県内では毎日と言っていいほど不発弾が発見されますが、工事の前に不発弾の探査を行うかどうかは、県や市町村、民間の事業主に任されています。不発弾と向き合う現場を取材しました。

きのう糸満市で爆発した不発弾。爆風で重機をも破壊しました。

工事関係者「岩石を砕くピンが半分なくなった」

爆発したのはアメリカ製の不発弾とほぼ断定。水道管を敷設する工事の前に、不発弾を捜す磁気探査を行わなかったため、重機の先が地中に埋まっていた不発弾を直撃して起こりました。

現場の道路工事をした糸満市の建設課は取材に対し、建設課の発注するほとんどの工事で、不発弾の有無を事前に調べる「磁気探査」を行った例がないと明かした上で、今後は市の行う工事すべてで磁気探査をするよう、話し合いが進んでいるとしています。

久田記者「県では『不発弾等処理工事』として、各市町村に予算をつけ、不発弾の処理事業を行っています。これから磁気探査の様子をみせてもらいます」

南西技術・富村盛一さん「この現場は4メートル下まで、不発弾を探す目的でやっている。まず最初に地表面を全体的にかけて、1メートルずつ、4メートルまで落としていくかたちでやっています」

磁気探査はまさに地道な作業。探査機を持った何名もの作業員が、くまなく現場を歩き、探査を繰り返します。

富村さん「見つかる深さはバラバラ。5〜6メートル下からでも見つかる」

政府が、こうした不発弾を探査・処理のために県に配分する予算は、最近では年間およそ4億5千万円ほど。すべての事業にまわすにはまったく足りません。

しかし、きのうの事故は探査を行わずに工事したために起きたことを考えると、探査はすべての工事で必要です。

県の土地開発公社が、すべての磁気探査費用を自前で調達した豊崎タウン。埋立て前の海底の探査など、1年半かかった探査費用は、土地の造成にかかった経費として、分譲地を買う県民や事業者が負担しています。

県土地開発公社豊見城市地先開発室・赤嶺久雄室長「全体で160haの面積。埋立ての160ha以上の面積が探査の対象になります」

専門家も、磁気探査費用は国が全額負担すべきだと訴えます。

磁気探査事業協同組合・儀保五十一副理事長「日本がアメリカと戦争して、負の遺産を沖縄がずっと背負っている。このままでいくと80年も処理にかかる。人的、経済的負担をずっと沖縄県に負担させるのか。どうにかしてくれとずっと言い続けている」

不発弾をめぐっては、県はこれまでにも国の全額負担を求めてきた経緯があります。これ以上けが人を出さないためにも、行政の本気度が問われています。