Qリポートです。今年9月に任期満了となる衆議院。景気、雇用対策の難題を抱える麻生自民・公明連立政権の支持率は急降下し、政権は危険水域に入ったといわれます。いつ行われても不思議でない解散総選挙に向け、県内の各政党は新春の集いや旗開きで臨戦態勢を始動させました。
自民党県連 具志孝助会長「国難の時だなと。こういう時こそ一致団結して取り組んでいかなければならない」「大変厳しい状況下ではありますけれども、選挙に勝たないことにはどうにもなりません」
民主党県連 喜納昌吉会長「それは当然勝ちに行きます。勝つことは当然の原理だけど、いかにして勝つかという。権力を握るんだから今までの自公と同じ政策を出しちゃ困るということ」
今年行われる衆議院選挙、麻生自公政権にとっては政権維持が至上命題です。対する民主党を中心とする野党は政権交代のチャンスだととらえ、攻勢をかけています。政権をめぐる与野党の攻防は、県内各党にも及んでいます。しかし与野党内でもそれぞれに思惑があり、内部の問題を抱えたまま解散総選挙を迎えようといています。
与党、公明。公明党は前回の選挙で議席を失うまでは1区が指定席でした。しかし今回は選挙区に候補者は立てず、参議院から九州比例に鞍替え出馬する遠山清彦さん一本に絞りました。
公明党県本 糸洲朝則代表「沖縄の候補者だという認識でおりますから、自民党の1区、2区、3区、4区とタイアップしながら、必ずや九州比例での4議席目を遠山で取りに行く、奪還しに行く」
1区について、ようやく自前の候補を出せることになった自民は、自公の選挙協力をアピールします。
自民党県連 具志孝助会長「お互いが約束した通り、選挙区は自民、比例は公明としっかりした取り組みをやっていく。こういう決意に変わりありません」
しかし、麻生政権の下、自民党には大きな逆風が吹き荒れ、比例票を公明に渡すと自民にとってはかなり厳しい結果になりかねないとの声も出始めています。これに対して公明は、自民は果たして比例票をまわしてくれるのか、かなり警戒感を抱いているのは確かで、糸洲代表はあえて信義という言葉を使いました。
公明党県本 糸洲朝則代表「他府県とは違う信頼関係というか、私は出来ていると。このように確信しておりますから、十分にお互いの信義を持って比例区と選挙区のバーターは確実に出来ると」
また自民党にとって悩みの種は3区です。自民現職の嘉数さんに対し、自民県議だった小渡さんが挑みます。
自民党県連 具志孝助会長「県連からもう一人候補者が手を上げているんですが、それでは利敵行為になると。やはりこんなに厳しい訳ですから、公認候補を一致団結して推せるよう、なお努力していきたいと思っています」
しかし県連内でもそれぞれの支持者はおり、3区で一本化できるかは不確定要素が強い状況です。
社民党県連 照屋寛徳委員長「今の危機を招いた新自由主義政治、自民党公明党の政治に代わる新しい政権交代を作り出していきたい」
社民党は2区、3区に候補者を予定しています。旗開きでは民主党候補とぶつかる3区でも勝利し、2議席獲得を目指そうと決意を新たにしました。野党は、今年の総選挙は政権交代のチャンスだとの認識で一致。しかし政党間の思惑はまた別です。
共産党県委 赤嶺政賢委員長「国の政治の進路で一致できるかどうか。果たして私たちの支持を願っている政党が、アメリカ言いなり、大企業優遇の政治を見直そうという点で一致できるかどうか。この点にかかってくる」
国民新党 下地幹郎衆議員「まず、もう政権交代するんです。政権交代してその役割に就いたら、もう沖縄問題という言葉を終わらせたいぐらい」「何か言って、出来なかったら相手が悪いんだっていうんじゃなくて、結論を出す政治をやってみたい」
野党各党にとって、1区と3区での選挙協力のあり方が、今後の大きな課題です。1区の下地さんと距離を置く民主の喜納代表との関係がどうなるのか。共に譲らない3区の社民対民主。また候補者を立てない社大党の対応は。与野党ともそれぞれに問題を抱えながら、選挙イヤーに突入しました。
しかし今回の総選挙は、自公政権に代わる新しい政権が誕生するのか、国民がもっとも注目する選挙です。だからこそ、各政党は国民の暮らしや景気回復、雇用対策について、より具体的な政策を国民の前に提示することが求められていることは、いうまでもありません。
衆議院は早ければ4月、遅くとも8月には解散総選挙が行われると見られています。政権維持か政権交代か。動き出した県内の各政党の今後の動きを注視していきたいですね。