石垣市白保公民館では、このお正月24人の新成人たちをむかえて盛大に成人式が行われました。毎年2日間にわたって白保中がお祝いモードに包まれ地域が地域の子供たちを大事にする心があふれる成人式。そこには長年にわたって繰り広げられてきた温かな光景があります。
米盛さん「私は6人兄妹の中で一番迷惑かけてる子で、内地に行ってもいつも心配ばかりかけてるから本当にごめんなさい。これからはホント心配かけないように綾子も頑張るから…見捨てないでください(会場笑)」
石垣市白保の成人式。沖縄本島のさらに南西にある石垣島、小さな白保の公民館には地域の大きな愛情があふれています。50年にわたり開かれてきた成人祝賀会、まずは全員が近況報告と両親への感謝の言葉をのべます。
豊里くん「将来は、親父と同じ救急救命士になって、2倍も3倍も親孝行したいと思ってます、よろしくお願いします」
挨拶のあと、親子は喜びを踊りで表現します。音楽が聞こえてくると、みんなじっとしてはいられません。友人や親せきも次々に踊りだします。
司会「あの、踊りの際には、ぜひ両親と本人だけにしてくださいお願いします!」
そりゃ、無理ですよねえ。ことし白保で成人したのは、24人。最近では各地で荒れる成人式や、新成人のマナーの悪さが伝えられることが多いなか、白保ではこの独特の成人式が温かく、そして賑やかに続けられているのです。
平地くん「自分は今、…(父「がんばれ!」)、…(父「ありマイク持て!」)」
ついつい涙で声も詰まります。お父さんに励まされながらマイクをもつのは平地玄信さん。畜産業をいとなむ両親のあとを継ぐべく、本土で勉強中です。
平地くん「将来は白保に帰って牛やるからよ、って毎日言ってるけどでも親は「まだお前に牛は渡せない」と言われまして」「親も今でも牛を引っ張れる元気はあるな、まだ元気だなとそれを思いながら内地でもがんばってます」
涙で喋ることができない、本村多(まさる)さん。小さなころから好きな野球を、進学先の東京の大学でも続けそれを両親も応援してきました。でも去年、突然やめて、今は京都で働いているということなんですが、故郷の両親に久しぶりに会って…
本村さん「僕の中で、お父さんとお母さんが幸せになれるのは自分が野球をしていることだと思います。だからもう一度、野球をしたいと思います!(拍手)」
そうそう!がんばれマサルさん!
「これからも迷惑かけると思いますが、仕送りのほう、よろしくお願いします。有難うございました!」
有難うって…いやあ、お父さん、まだまだ頑張らなきゃですね。
そして、歯科衛生士を目指して勉強中の宮良さん。涙ながらの両親への感謝の言葉に、会場も思わず涙、のはずが…
宮良さん「お父さんとお母さんは一番の私の理解者で、いっぱい迷惑かけてここ(白保)に来てまで、クルマぶっつけて、お金払わせて、迷惑かけたんですけど…」
あららら、宮良さん!ご両親も驚いたでしょうね!
宮良さん「お母さん、お父さん、白保の大切さをすごい感じてて」「ゆくゆくは絶対白保に帰ってきて、石垣で働いて、ずっと白保に住んで、これまでできなかったぶん、白保のために貢献したいと思います」
両親を初め親戚や地域の人たちが集まっての白保の成人祝賀会は、今月4日と5日に開かれ、5日は新成人が全員そろって芸能を披露してことしも大成功でした。
20年間育てた子どもたちから感謝を伝える素直な気持ちや抱負を聞いたご両親の喜びは、これまでの苦労も一気に吹き飛んでしまうほどでしょうねぇ。
来週は那覇市など本島地方の各地で成人を祝う式典が開かれます。このあとはチェンジ2009です。