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シリーズでお伝えしている「2008琉球の変」。ことしの沖縄も悲惨な事件事故が多発しました。繰り返される事件事故から見える課題を考えます。久田記者です。

繰り返された悲劇。2月に発生した海兵隊員による少女暴行事件。当時38歳の容疑者の卑劣な行為に、県民の怒りは増幅、県民大会にまで発展しました。

しかし、過熱する報道・世論は14歳の少女には抱えきれない大きなストレスとなっていたのかもしれません。少女は告訴を取り下げ、容疑者は日本の裁判ではなく、軍法会議で処分されました。

少女を守るためには何ができたのか、二度とこんな事件を起こさないために何が出来るのか。私たちは、深く心に刻まなければいけません。

沖縄中に激震が走った、マンゴーの産地偽装事件。

生産者「長年の努力によって築きあげた宮古島産ブランドイメージを一瞬にして大きく損ねる結果となりました」

8月には海ぶどうの産地偽装も発覚。「安心で美味しい県産品」を育ててきた多くの関係者の努力を踏みにじる犯罪は、県産品のイメージに大きな傷をつけました。

久田記者「被害にあったタクシー運転手は、ちょうどこのあたりで手を上げている外国人3人組に気づき、車を停車させます。その際、トランクを開けるようにと指示され車を降りると、いきなり背後から殴られました」

最も身近に感じられたのは、続発した強盗事件でした。

「もしトランクの中にジャッキとかが見つかったら、これでやるつもりではなかったか。(それでトランクを開けさせた?)中を見ておったからよ」

3月、沖縄市で発生したタクシー強盗事件。規律を正すべき憲兵隊員が「強盗を実行した少年らを基地から現場まで送迎した」として起訴され、有罪判決を受けました。

今年は、ほかにもタクシー運転手をガラス瓶で殴りケガを負わせる事件が起きるなど、アメリカ兵によるタクシー強盗事件が相次ぎました。基地内に乗り入れるベースタクシーの運転手は、大きな収入源である軍関係者の事件に複雑な心境です。

タクシー運転手「(軍人には)まじめな人もいっぱいいますよそりゃ。憲兵隊がやったっていうのは大変ショックですね。正直なところ(事件があるたび)またか、っていう思いは、みんなが思ってるんじゃないですか」

10年近く、基地関係者を客を乗せているというこの男性。タクシー強盗が続発した時期には、仕事が一気に減ったと言います。

タクシー運転手「大々的に流されてしまうと、軍のほうでも行動を抑制しないといけない。結局、外出禁止令みたいになってしまう。極端に減っているときには、収入が5万から10万減ります」

事件が起こるたび、生活は苦しくなる。地元ドライバーの苦悩と不安は続いています。

ことしはタクシーのほかにも、コンビニや飲食店への強盗事件が相次いでいます。きょうまでに発生した34件のうち、半分の17件が未解決。去年は未解決事件はなかっただけに、一刻も早い事件解決が待たれます。

目撃者「バチーンてすごく大きな音がして、友達の家のゲームとかが全部停電して」

名護市真喜屋のサトウキビ畑に、嘉手納基地所属のセスナ機が墜落した事故。事故直後から乗組員の事情聴取や機体の検証を求めた県警をよそに、終止アメリカ側が捜査の主導権を握りました。その結果、断定された事故原因は燃料切れ。単純ミスがもたらした事故。死者が出なかったことは不幸中の幸いとしかいいようがありません。

本部町水納島沖で発生した、貨物船と漁船の衝突事故。

航平丸・名嘉村彰船長「3人も死んだということに対して、自分が代われるんだったら代わりたい」

漁船で仮眠を取っていた3人が亡くなりました。どちらかが相手船の進路を妨害した可能性があり、現在も海上保安庁による調べが続いています。

遺族「涙が出るってものではなかった、あまりにもショックで。まだピンときません」

数々の事件事故がもたらした被害者の悲しみや県民の怒り。必ずや、再発防止への教訓にしていかなければなりません。

こう見ていると本当にいろんな事がありました。これらの事件・事故に絡んでいるその背景や課題に解決の糸口があるのなら、正面から向き合う努力が必要です。2度と悲しい事件や事故が起きない社会にしたいものです。