沖縄電力が中城村で建設を進めている火力発電所をめぐって、温かい排水が流される事で漁場が荒らされるとして南城市の知念漁協が反発している問題で、漁師らが海上デモで抗議の意思を示しました。
南城市の知念漁協には18日午前、建設計画の見直しを求める多くの漁船が集まりプラカードをなどを掲げ、海上行動に向けて出港しました。
知念漁協に所属する漁船39隻158人の組合員は、沖縄電力が2012年の使用開始にむけ中城村の吉の浦に建設を進めている火力発電所の前まで向かい、現在の建設計画では発電所から排出される温排水で水温が上がり魚やサンゴなど中城湾の漁場に影響を及ぼすため建設計画を見直すべきと声をあげました。
ここからは取材した比嘉記者に聞きます。比嘉さん、きょうの抗議行動で漁協の皆さんがもっとも訴えたかった点というのは?
比嘉記者「まず建設そのものに反対しているわけではありません。発電所から排出される温水が海水温度を上昇させ、中城湾の漁場に影響を及ぼすので、その温水を常温にするシステムに変更するよう建設計画の見直しを求めています」
この訴えに対し、建設中の沖縄電力はどう答えているんでしょうか?
比嘉記者「これは現在稼働中の二か所の火力発電所で7年ないし8年かけて実施した、温水の拡散を自社で調査した結果です。水温が1度上がった地域は当初予想されていた地域よりも小さく、環境アセスでも海生生物への影響は認められていないとして、吉の浦でも生物への影響は少ない、また殆どないとしています」
両者の主張はまったく違うようですが。
比嘉記者「組合では今月12日に抗議集会をひらき、またきょうの海上行動を通して計画の見直しを訴えたわけですが、先ほど言ったように建設に反対しているわけではありませんので、今後はこの温水排水システムについての話し合いが必要です。知念漁協組合長は『中城湾をのぞむ8つの漁協もシステムの変更を沖縄県に要請している』としていて、改めて沖縄電力に対し双方の協議の場を求めていくということです」