アメリカ海軍の2隻の原子力潜水艦が12日、相次いでうるま市のホワイトビーチに寄港しました。原潜の寄港が急増する中、今回の異例の事態に地元の不安も高まっています。12日正午頃、アメリカ海軍の最大級の原子力潜水艦「オハイオ」がホワイトビーチの沖合に寄港。「オハイオ」は巡航ミサイルを装備した攻撃能力の高い潜水艦で、ホワイトビーチに寄港するのは初めてです。
このおよそ2時間前には原子力潜水艦「ハンプトン」が寄港。おととい10日には日本側への通知もなしに原潜「プロビデンス」が寄港する問題が起きたばかりで、地元うるま市も抗議の声を強めています。
うるま市の知念恒男市長は、「無断入港ももちろんでしたが、それの直後に立て続けに1日に2隻入るっていうこともこれまでになかったことだと思う」、「もうこれを異常と言わずしてなんと言うのか」と、怒りをあらわにしていました。
また衆議院の外務委員会でも、社民党の照屋寛徳議員が12日の寄港に怒りを表すとともに、おとといの通知なしの寄港についても政府の姿勢を質しました。照屋議員は、「なぜ大臣自ら強い抗議の姿勢を米側に示さないのか」と質問。これに対し中曽根外務大臣は、「大臣の直接の指示で(北米局長から)こういうことは二度と起こらないように、きちっと通報のシステムを点検してほしいと向こう側には申し入れている」と答えました。
原子力潜水艦の寄港は2008年に入って実に35回。過去最多だった2007年の24回をはるかに上回っていますが、アメリカ軍は運用に関わるとして急増の理由を明かしていません。さらに18日には沖縄本島の東の海上で、初めてアメリカ海軍の原子力空母と航空自衛隊が日米共同訓練を実施する予定です。沖縄の海でいったい何が起きているのか、県民の不安は高まるばかりです。