筋力年齢に骨年齢、あなたは自分の体の状態を知っていますか?老化度を判定するアンチエイジングドッグが受けられる専門施設が誕生しました。
沖縄県の職域検診のおよそ6割を行っている沖縄県総合保健協会。先月ここに新たな施設アンチエイジング医療センターがオープンしました。
アンチエイジングとは病的な老化を防ぐ抗加齢医学のことで、日本抗加齢医学会が認定する専門施設としては九州で初めてとなります。
検診施設に加え、トレーニングルームやプール、更にリラクゼーションを目的としたアロマルームを備え、総合的な健康増進を目指しています。
長寿県と言われる沖縄ですが、老人一人当たりの医療費を見ると全国平均に比べ6万円高く、同じく長寿県としてその名を知られる長野と比べると実に20万円以上の開きがあります。
こうした状況の中、元気に長生きできる真の長寿社会を目指そうと開設されたのがこの施設です。
沖縄県総合保健協会・金城幸善理事長「みんな老化するというのは当たり前だと思っていた。けれども、老化の中にも防げる老化もあるということが解った。調和のとれた老化といいましょうか、加齢ですね。それをやっていこうというのがアンチエイジングなんです」
ここでは人間ドックに加え、アンチエイジングドックが受けられます。
人間ドックが病気の早期発見・早期治療を目的とするのに対し、アンチエイジングドックは病気になる前に体の弱点や老化度を判断しそれを改善していくというもの。筋年齢・骨年齢・血管年齢・脳年齢・ホルモン年齢の5つを判定します。
今年、69歳になる玉寄さん。毎年受けている人間ドッグで特に異常はありませんが、より健康な体づくりのため、今回アンチエイジングドックを受診しました。
玉寄長英さん「年に応じた衰えであればいいんだけど」
マラソンが趣味で体力には自信があるという玉寄さん、筋力は43歳と、実年齢より26歳若かったものの、骨年齢に問題がありました。
『自信を持っていた骨年齢は89歳になっている。カルシウムをとっているからいいとは限らないです。骨はたんぱく質が大事』
判定結果をもとに、食事指導や運動指導、サプリメントについて細かな指導を受けました。
玉寄さん「筋力年齢はあんなに40の前半。骨年齢はまたずっと高齢になっていたでしょ。自分では意識はなかった」
この他、皮膚科外来も設置しています。皮膚の老化は自他共に解りやすい老化現象。見た目の若々しさが精神的な活力にも繋がっていくとの考えから、老化の予防やしみ、しわの治療を行っています。
こちらは県内の皮膚科では数台しか入っていない肌年齢を測定する器械です。取材カメラマンが測定してみると、潤いに繋がる油分は25歳と診断されたものの、水分値は59歳という判定でした。
沖縄県は全国で最も紫外線の強い地域、光老化は顕著で、皮膚がんの発症率も高いことから、紫外線に無防備な男性にも注意を促したいといいます。
沖縄県総合保健協会・宮里肇医師「紫外線を浴びた蓄積によって、悪性皮膚腫瘍になることもあります。その辺の予防と治療について皆さんによく知ってもらいたい」
所変わって、うるま市に来月5日オープンするのが未病ケアセンターです。
未病とは病気ではないけれども健康ではない、つまり病気と健康の狭間にある状態のことで、体に潜む病気の目を摘み取っていこうというものです。
沖縄未病ケアセンター・斉藤泰院長「健診で見つけました。はいどこかへ行って下さいという部分では、やはり長寿には繋がらない。ですから検診で見つかった人をきめ細かくここで保険で診療し、病気に発展しないようにやるというのが大事」
センターでは1階に専門外来、2階に健診施設、3階には運動施設の他に琉球温熱やジャグジーなどを備えた健康増進施設を設け、更に長期療養にも対応出来るようにホテルも併設。「気軽に通える診療所」をコンセプトに総合的な未病ケアを目指します。
アンチエイジングに未病ケア、どちらも健康的に長生きするためには欠かせえないキーワードとなりそうです。
沖縄では通院率が低く、悪くなってからやっと病院に行く人が多いということです。病気にさせない努力こそが健康寿命のアップに繋がっていくんでしょう。
アンチエイジングと聞くと若い人には無関係かと思っていたんですが、むしろ若い時から自分の健康状態を知り、生活習慣を変えていくことが重要です。