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アメリカ軍のセスナ機が名護市のサトウキビ畑に墜落した事故から4日、名護市議会軍特委は27日に緊急の委員会を召集し、現場のサトウキビ畑に向かいました。委員らは、生々しい延焼のあとや機材撤去のために伐採されたサトウキビなどを目の当たりにして憤りを訴えました。

渡具知武宏委員長は「現場封鎖、機体撤去など、普天間の事故となんらかわらない。地位協定の改正を求め、厳重に抗議する」と怒りをあらわにしました。委員会は午後から抗議決議と意見書を作成し、臨時議会の召集を申請しています。

一方、現場付近には名護署員が出向き、切断された電線を修理した担当者から状況を聞いたり、付近の小学校で当時の様子を聴くなど捜査を進めていました。

午後2時半には仲井真知事も現場の様子を視察。「どのような形でも事件事故は決して起こってはならない」としたうえで、日米地位協定改正の必要性を訴えました。

事故が起きたのは先週金曜日の夕方でした。どんな事故だったのか経過を振り返ります。

高校生「バチンって、もう本当に大きな音。心臓が飛び出るぐらい大きな音。自分はパニックになった」

事故が起きたのは午後6時35分ごろ、名護市真喜屋のサトウキビ畑に、アメリカ軍嘉手納エアロクラブ所属のセスナ機が墜落し炎上しました。

墜落の際に近くの電線を引っ掛けたため、一時周辺の住宅700世帯が停電する事態となりました。

混乱した現場では立ち入りを巡って日米の間でトラブルとなる場面もありました。

県警は現場検証を続ける一方、日米地位協定に基づき機体の差し押さえを求めましたが、アメリカ軍がこれを拒否します。

昼過ぎからは、アメリカ軍がセスナ機の部品の回収を始めます。そして午後6時過ぎ・・・。

久田記者「機首はすっかり垂れ下がっているように見えます。原形を留めていません」

事故から26時間、重要な証拠となるはずの機体は解体され、完全に現場から撤去されました。

岸本記者です。4年前に起きた沖国大での事故と今回の事故はどこに違いがあるんでしょうか?

岸本記者「4年前の事故は『公務内』の軍用機の事故でした。それに対して、今回の事故は完全に公務外で、レジャー用のセスナ機の墜落です。2つの事故の内容には大きな違いがありますが、アメリカ軍は同じように機体を基地内に持ち去りました」

岸本記者「この根拠になっているのが、日米地位協定の第17条に基づく日米合意です。これには『米軍の同意がない場合、日本の警察は米軍の所有物について、差し押さえや検証を行う権利を行使しない』という合意がされていて、きょう県庁で仲井真知事と会った迫田危機管理官も、事故機の扱いに問題はなく、アメリカ軍との連携はうまくいったと語っています」

迫田裕治危機管理官「日米で確認してきたことに基づいて、事故発生当初から事故現場のコントロール、統制を行ったと認識している」

岸本記者「法律の専門家は公務外に軍用機ではないセスナ機が起こした事故で、アメリカ軍が機体を持ち去るのはどう考えてもおかしいと指摘しています」

池宮城紀夫弁護士「この日米合意事項であれば、基地の外で事故で起きれば、公務内であろうが公務外であろうが米軍の一存で勝手に事件処理されてしまう。日本が主権を放棄して、アメリカの言いなりになっている。言いなりになるような合意が暴露されたということです」

まさに治外法権そのもののような印象を受けますが、現場の管理はどんな形で行われたんでしょうか?

岸本記者「4年前の事故の際、まだ記憶に新しいと思いますが、アメリカ軍が現場を封鎖し、県警は完全に排除され、事故機の検証ができないどころか、現場の土や草までアメリカ軍に持って帰られてしまいました。今回はその時の反省やこれまで積み重ねてきた訓練を元に、現場の共同管理という形で、事故機のすぐそばに日米の担当者がそれぞれ立ち、その周りを名護署の警察官が警備するという形になりました。県警は今後、事故機を操縦していたパイロットの立件を目指すということですが、アメリカ軍は乗組員4人の名前さえ未だに明かしていないというのが現状ですから、こういう現状を変えていくためにはアメリカ側が日本の捜査機関の要求に全面的に応じるよう、地位協定を抜本的に改正する必要があると思います」