特集です。昨日、盛大に行われた那覇大綱挽きですが、比嘉さんは支度って知ってますか?。
はい。綱を引く直前に東西から神輿のように担がれて出てきて中央で戦うような演舞を披露する人たちの事ですよね。かっこいいですよね。
そうですよね。私も大好きなんですが、あの人達が誰なのかって案外知られていないと思いませんか?。
そういえばそうですね。
その支度について嶺井カメラマンが取材しました。
那覇大綱挽きで、最も華やかなのは支度とよばれる2人の武将に扮した演者の繰り広げる演舞。この支度を20年前から引き受けているのが、仲嶺しんえいさん。仲嶺さんは沖縄芸能に携わる事、実に55年。業界にはなくてはならない存在です。
仲嶺さん「沖縄の歴史を伝えてほしいっていうお話だったもんですから、それなら私にも出来るだろうと」
仲嶺さん「はー面!。そうそう。」
今年、仲嶺さんの相手役を務める事になった富永実正さん。富永さんは那覇大綱挽きの泉崎の旗頭を担当していて、毎年、支度が演じている姿を間近で見ながら、いつの日か自分があの支度台の上に乗ることができたらと憧れていました。
富永さん「自分にはこういう話は来ないだろうなあと思っていてですね。」「最初、話をいただいた時には3日も眠れませんでしたね。緊張して」
今回2人が演じるのは兄弟で王位を争った大新城親方と津賢親方という琉球史劇の登場人物。
仲嶺さん「今度選んだ人物はどうしても貫禄がないといけないのでそういう人物を選んだんですよ。」
仲嶺さん「自分が天下取りになるんだという気持ちで天下人になったつもりでさっそうと出てきてください。」
富永さん「はい。分かりました。」
「なんでうちなーのお年寄り長生きするかねえって。」
実は富永さん、琉球村の芸能部で顧問を務めていて劇の指導や自らエイサーも披露しています。
共演者の方「色々アドバイスしてくれるから私たちも(演技)しやすいですね。」「(Q 実は富永さん、那覇大綱引きの支度にきまったんですよ。)そうですってね。私びっくりしましたよ。そんなに顔が売れていたのかと思ってね。」
共演者の方「支度が出来るってなかなかないですよね。やりたいと思ってもですよね。だから決まったって聞いた時はよかったねって喜んでたんですよね。」共演者の方「富永さんの持っている熱い情熱を出し切って頑張ってほしいですね。」
富永さん「こんにちはー。」
最終日は衣装合わせも兼ねての練習です。憧れの支度の衣装を身にまとった富永さん、緊張感がこちらまで伝ってきます。
富永さん「気持ちいいですね。引き締まりますね。」
剛柔流空手の師範でもある富永さん。棒を扱うその姿はベテランの仲嶺さんと手を合わせていても貫禄は充分のようにみえますが・・・。
富永さん「だんだんテンションもあがっているし、胸の鼓動も早くなっているし」「緊張をそのままもっていって本番でのびのびやりたいなあと思っています。」
富永さん「もうこれだけ稽古をばっちりやれば大丈夫だと安心していますよ。」
稽古が終了した後も、富永さんの練習は何度も何度も続きました。
那覇大綱挽き本番当日。化粧をしてもらう富永さんですが、プレッシャーをはねのけるかのようにイメージトレーニングを繰り返します。
富永さん「まあ、憧れでもあったからね」「わくわく半分、ドキドキ半分」
富永さん、念願の支度台にいよいよ上がります。富永さん「もうテンションが上がってますね。本番で爆発させたいくらいです。」
カヌチ棒が入り大新城親方登場!津賢親方登場!!
富永さん「今まで生きてきた中で一番最高かなあと思うくらいですね。」「人生が大きく変わる瞬間じゃないですかねえ。きっかけにもなったんじゃないですかねえ。」「快感ですね。」
支度台をおりてから一時間近くも記念撮影にひっぱりだこだった富永さん。やっぱり那覇大綱挽きのヒーローは支度なんだなあとあらためて感じました。
すごい人気でしたね。来年はどの武将が出てきて演舞するのか楽しみです。以上特集でした。