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大盛勝仁・日本産業カウンセラー協会沖縄支部事務局長「専門のカウンセリングとしては、面談してお互い顔も表情も雰囲気も見ながら相談していくというのが私どもの専門分野になりますので、まず時間を決めて会いましょうということで話を進めています」

今月は自殺予防月間です。日本産業カウンセラー協会沖縄支部は10日から3日間、働く人の相談室を設置し、電話で悩みや相談を受け付けました。

全国の自殺件数は10年連続3万人を突破。交通戦争と呼ばれた交通事故死の年間6000人、これの5倍もの人が自ら命を絶っている状況が続いています。県内でも1998年に350人と300人台を突破し、おととしは最悪の400人まで増えました。

産業カウンセラー協会では、企業向けのメンタルヘルス研修や電話相談などの取り組みを行っています。3日間の電話相談件数は、去年は一週間で10件。今年は一気に42件と増えました。主な相談内容は病気で職場を休んでいる人、人間関係の悩みなどが大半を占めました。

大盛事務局長「人間一人ひとりの可能性というんですか、潜在能力というのを信じてカウンセリングをやっていますので、答えは皆さん一人ひとりが持っているはずなんです。ただいろいろな問題があってそれが整理できない。その整理の手助けをするというのがカウンセラーだと思います」

自殺の主な要因は、心の病と金銭苦だといわれています。

仲本晴男・県立総合精神保健福祉センター所長「自殺は本人が好んで選んだ手段じゃないということです。大事なキーポイントはですね、追い詰められての死なんだということです」

病気、心の病を中心に医療面から自殺予防に取り組むのが県総合精神保健福祉センターです。センターでは自殺予防の各種研修会をはじめ、全国で始めてうつ病や自殺未遂の人を受け入れて社会復帰に向けたケアプログラムを実施。これまでに受講者216人のうち、107人が社会復帰を果たしています。また一人の自殺者で少なくとも周囲の10人程度は心理的にメージを受けるといわれていて、遺族の心のケアにも取り組んでいます。

仲本所長「何度も死にたいと思ったけれども、ここでトレーニングしてこれだけ良くなったと。そしたらこれまで築かなかった美しい景色とかそういうのを見る余裕ができたって。生きていて良かったって。ですからそれに対して手を差し伸べる、これが大事なことなんです」

仲村弘・県司法書士会会長「借金すること、特に貸金業者。銀行や公的機関以外のところで借りることについても、そんなに躊躇がなくなった。そういう生活様式になってきた」

自殺のもう一つの要因が多重債務などの借金苦。特に失業率全国一の沖縄で借金苦による自殺が増えている現状に、県司法書士会も予防対策に取り組んでいます。

仲村会長「毎月の支払いをするために次の借り入れが始まるということで、どんどん雪だるま式に借入先が増えるし、金額が増えるという形になって、当然、最初のうちにできるとおもっていた自分の月々の収入からの支払いもできなくなる」

司法書士会は研修会に講師を派遣したり、電話相談などで多重債務者の支えになっています。

仲村会長「借金問題は絶対解決できるんだということです。自己破産という手段もあります。いちから法律はやり直しができますよと、いうところに進めていきたい」

深刻な社会問題化する自殺。その予防対策にさまざまな団体が取り組みを始めています。