シリーズでお伝えしている九州・沖縄・山口のANN共同企画「わが町の金メダル」。きょうは、QABの制作です。試行錯誤の末、ソーラーカーを完成させ。憧れの鈴鹿に乗り込んだ中学生達。でも、そこでも試練が待っていました。
さんさんと降り注ぐ太陽の下、熱い闘志をみなぎらせる子どもたち・・・。豊見城市立長嶺中学校ソーラーカープロジェクトのメンバー。目指すは、あの世界最高峰の鈴鹿サーキットでのレースです。
彼らがソーラーカーの製作を始めたのが1年半前。工学部という部活動での取り組みです。
中西哲大くん「やっぱ趣味が合う仲間なんで、やっていて楽しいですね」
設計に始まり、部品作りにいたるまで、一つ一つ力をあわせて作ってきました。そんな彼らをサポートしようと、なんと15もの企業がスポンサーとなりました。彼らの可能性にかけたのです。こうして完成したのがこちら!愛車は「フランケン」と名づけられました。
そして、ついに夢の舞台鈴鹿へやってきました。エントリーしているのは、大学の工学部やソーラーカーを専門的に作っている企業など常連ばかり。
根路銘国真くん「専門的にやっているところとうちらではやっぱり違うなーって実感します」
ここで生徒たちを待ち受けていたのは、車検という大きな壁でした。
「ブレーキランプついた?ブレーキついてますか?右やってみて、右ウインカーついてません」
整備の不備が次々と指摘され、合格できません。
車検員「通してあげたいんですけど、やっぱり安全面を考えるとどうしてもその辺が厳しくなってきますね」
車検は2つの項目を残し、翌朝に持ち越されることになりました。肩を落とす生徒たちに、去年の優勝チームが声を掛けてくれました。
オリンパス「俺らも初めて出たとき徹夜の作業でしたからね。ほんとトラブルでるんだよ」
レースに参戦することなく沖縄へ帰るわけにはいきません。修復作業は夜を徹しておこなれました。
「合格です」
プロジェクトリーダー・長嶺伸くん「やっと車検が通ってほっとしています」
『沖縄県長嶺中学工学部ソーラーカープロジェクト、初のエントリーです』
コースは、一周5.8キロ、4時間内にもっとも長い距離を走ったチームが優勝。効率よく走れるよう、ドライバーに支持を的確におくるのが長嶺くんの役割です。
長嶺くん「1周、11分10秒ぐらいだから、もうちょいスピードだしていいよ」
フランケンが鈴鹿サーキットを堂々とかけぬけます。
「ナイス!あきよし先輩!おーきたー!!ついに来たー」
結果は51チーム中44位。でも、彼らの表情に悔いはありません。さらに、こんなうれしい出来事も!!
なんとフランケンがグッドデザイン賞に選ばれたのです。
瀬川優くん「今まで支えてくださった方々への恩返しだと思っています」
根路銘くん「あきらめずにどんなことがあろうと頑張ろうということです」
長嶺くん「完全燃焼です」
この夏彼らが手にしたもの・・・。それは、形では表せない、ずっしりと胸に響く大きなメダルでした。