がんじゅうへの扉、きょうは「ドライアイ」についてです。
目を潤す機能が低下した状態が「ドライアイ」ですが、病院にやってくる患者のある共通点に気づき、それに沿った改善方法を提唱する眼科医に話を聞きました。
クーラーの効いた部屋でパソコンを操作したりテレビを観たり、携帯電話の画面をじっと見つめるのも私達の日常によくある光景です。
目を酷使することの多い中、目が疲れたり、しょぼしょぼしたりする。それはドライアイの症状かもしれません。
ドライアイの主な症状は疲れ目や異物感。かゆみなどがあります。
涙は涙腺から出て目の表面を潤した後、まぶたの内側にある涙点と呼ばれる穴から鼻の奥に流れ出て行きます。
涙は「老廃物を洗い流し」たり「酸素や栄養を目に与える」仕事をしています。「ドライアイ」になると、涙のこの機能が、うまく働らかなくなるのです。
那覇市で眼科医院を開業する石川先生は、ことし1月の1ヶ月間、目の違和感や充血などの症状で来院した新患のうち、伝染性疾患などの患者を除いた206人の目をビデオ撮影。
206人全員にまばたきの弱さが見られ、これがドライアイにつながっていると指摘します。
石川院長「この瞬きも普通に見ていたらわからないですよ。わかりにくければこま送りをして。あなたの目、2ミリも開いてますよねって話をするんですよね」
これまで目の周りの筋肉、眼輪筋の弱さは高齢者の特徴と思われていました。しかし、石川先生が撮影した206人全員が上下の瞼がしっかり閉じない弱い瞬きをしていました。
石川院長「これをちょっと下から指で押しあげると隙間がなくなった。瞼の筋肉が弱い、要するに下に下がっている」
12歳の女の子スローモーションで見ると、瞼がしっかり閉じていません。そしてまばたきの間隔が長い子ども。
石川院長「確かにテレビのコマーシャルで10秒間目を開けていられなかったらドライアイというもの、確かにそのとおり。逆に1分以上も開けていられるんだったら、痛みに対する感覚が鈍ってきて、おかしくなっている」
涙腺から出た涙を眼の周りの筋肉が押して目を潤わせ、溜まった汚れを鼻につながる穴に流し出す。目の周りの筋肉の力が弱いと、この作業がうまくできないのです。
石川院長「これがたまって涙の中がこんなに汚れている」
石川院長「瞬きがこの辺まで来たら、ぴっとやめちゃうのがわかる。こんな風だからこれが乾燥しちゃう」
瞼が閉じない隙間の部分は乾燥し、傷がつきやすくなり、疲れ目やかゆみ、ごろごろするなどの症状が出るといいます。
ドライアイの治療には点眼などがありますが、石川先生はさらに目の周りの筋トレを勧めています。
足腰を強くするために足腰の筋トレをするように、眼輪筋を鍛えて、本来の瞬きの機能を戻すべきだと言います。
石川院長「私も閉じるときに1ミリ開いている。それから私は毎日やっているんです。筋トレ、自分で」
瞼のまわりの筋肉を動かす方法で、石川先生自身も涙目の症状が軽減してきたといいます。
石川院長「この筋肉をいかに効率よく動かすかということ。鍛えれば(瞬き不全は)絶対減ると思います。理論的にね」
瞼が途中までしか閉じないので涙が押し出されず、あいている部分が乾くので傷がつきやすいということなんですね。
筋トレの方法は石川眼科医院のホームページで先生自身が紹介しています。
ドライアイは悪化すると肩こりや頭痛の症状も出てくるようですから、あなどらずに。