最近はスーパーでのマイバックが定着してきましたが、車で1キロの距離を往復する際の二酸化炭素は、レジ袋何枚分になるかご存じでしょうか?実は、わずか1キロの往復で10枚分に相当すると言われています。例えば那覇市から恩納村は40キロですから、往復で実に400枚のレジ袋に相当することになります。そんな車社会の救世主が、今県内で増えています。実近記者です。
実近記者「那覇市の上之屋交差点、現在午前7時過ぎです。県内でも最近、自転車で通勤する人、いわゆる自転車ツーキニストが増えているということですが、本当なんでしょうか。しばらくこちらで見てみたいと思います」
いったいどれぐらいの自転車ツーキニストがいるのか、数えてみました。
実近記者「来ましたね、来ました。おはようございます。行っちゃいました。早いなー」
朝早くから、多くの自転車ツーキニストたちの姿が見られます。
自転車ツーキニスト「(Q:自転車通勤いつごろからやられているんですか?)4月から。(Q:どこから通われているんですか?)北中城です」
こちらも2ヶ月前から自転車通勤を始めたという男性。
自転車ツーキニスト「まあ、健康もあるし、ガソリン代も高くなったし。(Q:どうですかやってみて?)あ、結構楽しいですよ」
自転車通勤まだ1ヶ月の、こちらの男性。
自転車ツーキニスト「(Q:どちらから通勤されているんですか?)読谷です。(Q:お仕事は那覇市内?)空港です。(Q:読谷から空港までどれくらいかかるんですか?)1時間半ぐらいですかね」
自転車ツーキニスト(自転車通勤歴7年)「増えてますね。感じますね」
自転車ツーキニスト(自転車通勤歴1年)「車の渋滞もないし、気持ちいいですよ、とっても」
こちらは沖縄市から通勤している男性。
自転車ツーキニスト(自転車通勤歴2年)「(Q:雨でない限り、自転車通勤ですか?)台風以外は。(Q:雨降りでも自転車ですか?)雨降りこそ自転車のほうがいいです。よけい混むんで」
自転車ツーキニスト(自転車通勤歴3年)「(Q:最近増えてるっていうんですけど)あー、それは実感します。増えてますね。(自転車は)40万ぐらいはかかってるんじゃないかと思います」
ツーキニストの自転車は、高価なものが少なくありません。一方こちらは、自転車の練習中という男性。
自転車競技愛好家「気分的にも、風を切って走って、季節も肌で感じることもできますし、健康にもいいと思います」
結局、2時間の間に、およそ80人のツーキニストに会いました。
アウトドアショップ ネオス・河井孝介副店長「今年になって爆発的に増えてる」
県内で、自転車は確実に増えています。
河井副店長「去年の同じ月と比べると、1.5倍ぐらい。やはり3つあると思う。温暖化の意識が高まってきたという部分と、メタボと言われているような健康に関わる部分、それとあと最近、ガソリンっていうのがさらに加わって」
そして、この自転車ブームを後押ししているのが、最新の自転車のファッション性や多機能化です。
まず、初心者にも乗りやすいのは、こちらのマウンテンバイク。段差なども気にせずに乗れる操作性の高さが人気です。そして、究極のスピードを楽しむなら、ロードバイク。主に10万円以上からと高価ですが、通勤用としての購入も増えています。通勤用として最も人気があるのは、こちらのクロスバイク。
河井副店長「マウンテンバイク並みに楽に、気楽に乗れるという部分と、ロードバイク的なスピードで走れるという。そういう、いいとこどりした自転車」
最近は、全体的に車両の軽量化が進み、変速ギアが使いやすくなったことなどで、上り坂も楽に走れるようになっているということです。
数10台の自転車を自宅に所有するのは恩納村の安井楓さん。
安井楓さん「ついつい買い求めすぎたかなって、反省もしてますけど。でも自転車に囲まれてるとね、幸せなんで…」
33年前から沖縄で自転車通勤を行っている生粋の自転車ツーキニストです。時には、恩納村から那覇市内の職場まで自転車で通います。
片道およそ40キロ。沖縄では「暑い、坂が多い」と敬遠されがちな自転車ですが…。
安井さん「実はさほど坂もそんなにはないし、暑いといっても走っている間は涼しいんですよ。風を受けますからね。とにかくまず実践、これをお願いしたいなと思いますね。しかも環境にいいとなれば、こんな胸を張って使える道具はありませんので、そういう意味では、自分の健康、そして環境ということを課題におきながら、なおかつ、乗ってみると楽しい」
自身のテーマは「地球自速」。地球を自分のスピードで走ろうという思いが込められています。
安井さん「(Q:汗をあまりかかれてないですね?)走ってる間は風が全部乾かしてくれるし、走ってる間は涼しいですよ」
あくまでも通勤手段としての自転車。決して無理をしないのがポイントです。そして1時間50分後、仕事場に到着しました。
安井さん「自力で移動できるというこの快適さは、一度味わうと、まあ、これが人間だなーと」
自転車が増える中、安井さんは今、自転車が走りやすい環境を話し合う組織を立ち上げようとしています。
安井さん「健康、楽しい、エコ、あるいは経済性。ところが、このそれぞれの道がどうやら一つの道につながってきて、みんな今、同じ道をこの自転車が走ろうとしている状況にさしかかったのかなと」
たまには、車を降りて自転車に乗ってみてはいかがですか?
私も自転車ツーキニストなんですけど、ちょっとした時にはほんとに手軽でいいんですよね。車を全く使わないのは難しいかもしれませんが、移動手段の選択肢の一つとしてぜひ、取り入れたいものですよ。