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世の中にあふれているもったいないこと、特に食べ物の無駄を減らそうと始まった食のリサイクル「フードバンク」をご存知でしょうか?

直訳すると「食糧の銀行」という意味です。賞味期限がきていないのにも関わらず、廃棄処分になる食品を引き取り、必要な人に送る仕組みのことです。

今、全国的に広がりを見せているフードバンクの取り組みが沖縄でも始まっています。

奥平智子さん「毎回ここに直行します」

何気ない夕飯の買い物。主婦である奥平智子さんがまず向かう先は、おつとめ品のコーナー。商品を手に取りじっくり見極めます。

奥平さん「考えますね。安いからって大量に買っても、忘れたり、捨てても意味がないので」

買う分量も、その日で使う分はその日に買うこと。

そして、納豆を選ぶときも・・・。

奥平さん「なるべく島のものを買いますね」

食糧自給率を上げるためにも県産品を!パンを選ぶときも念入りに日付を見ている奥平さん。何のチェックしているんですか?

奥平さん「古いものから。もうすぐ期限が切れてしまいそうなものから買うようにしています。期限が近くても特に問題がないので、廃棄を減らすためにもそういったものから選ぶようにしています」

環境について感心が高まる中、主婦ならこのような買い物をする人も少なくはないでしょう。ただ、奥平さんが始めたのは、これだけではありませんでした。

男性「販売するようにサンプルで送ってきたんですけど、急に中止になったので」

奥平さん「ありがとうございます。助かります」

今月、豊見城市で行われたフリーマーケット。63店舗が出店し賑わう中、物を売るのではなく物を提供してもらうブースがありました。

活動しているのは奥平智子さん。去年10月にフードバンク沖縄を一人で立ち上げ、定期的にフリーマーケットの一角を借りて、食糧の寄付を呼びかけているのです。

奥平さん「お家、家族何人いる?4人?これが4つ分捨てられているわけ、毎日。もったいないから、お家のご飯とか給食は全部食べてよ」

食糧の提供だけでなく、奥平さんは食糧廃棄物の多さを子どもたちにもっと身近に感じてもらおうと、一人の人が一日に残す食べ物の量をこのリンゴのオブジェに例えて紹介しています。

この日は、19人から23キロの食糧の提供がありました。

提供した人「お中元でもらったもの。飲まないでおくのももったいなかったので、誰かに役立ててもらえればと思いまして。捨てるのもったいないですよね」

フードバンクとは、賞味期限が来ていないのにも関わらず廃棄処分される食品を引き取り、必要な人に送られる仕組みのこと。その団体によりますと、日本では年間2100万トン余りもの食べ物が捨てられていますが、中にはまだ食べることができるものが3割も含まれているといいます。

奥平さん「食品っていろいろな種類があって便利ですけどね。日本は、贅沢なんでしょうね」

これまでフードバンク沖縄に寄付してくれた企業は6社。この日、新たに一社から申し入れがありました。味噌と醤油の醸造メーカー・赤マルソウです。

株式会社赤マルソウ・座間味亮社長「現場で作業中に傷つけてしまったものですね、中身はまったく問題ない。ただ、もう商品として出荷ができないですから」

用意してくれていたものは、箱がへこんでいる物やスーパーから返品された季節商品のドレッシングなど様々です。

座間味亮社長「賞味期限は9月7日までなので。ただ店頭では販売できない」

実は、廃棄されるのも1キロ当たり50円の費用がかかるため、企業にとってもこのフードバンクの取り組みはありがたい存在なのです。

奥平さん「本当にたくさん頂いて、また、全部活用できそうなものなので、届け先もすごく喜ぶと思います」

早速、奥平さん企業からもらったものを送り届けます。

奥平さん「まだまだ始まったばかりで、どうしても定期的に持っていけることができないんですけど」

現在、生活困窮者やホームレスを支援している団体や児童養護福祉施設など10カ所に提供しています。

奥平さん「先日、個人の方から集めるイベントがあってそのときに集まったものと、企業さんからきょう頂いてきたんですけど」

NPO法人みのりの会・玉木勉さん「3,4ヶ月前までは、食費でも1日に10人分、朝昼晩作っていて8万円ぐらいで収まっていたのに、今10万円かかるんですよね。そういった面でも(フードバンクからの提供は)非常に助かるわけですね」

1人で始めたフードバンクの取り組みも9ヶ月がたち、協力者も増え、勉強会を開くほどになりました。徐々にですが、沖縄でもこの食のリサイクル、フードバンクが根付き始めています。

奥平さん「メーカーさんが一番心配される自分たちの企業イメージというのをきちんと私たちも守って、事故とかそういったことが起こらないように、システムをきちんと守って活動していくということを大きくアピールして、ぜひ理解していただいて、ご協力願いたいなと思います」

いくらもったいないといっても、受け渡す食品の安全を確保するため、賞味期限は2週間ほど残っていること、そして乾麺や缶詰、レトルトなど常温で保存できるものに限定しているということ。

ボランティアの登録者が増えればさらに活動が広がるので、8月1日,2日に沖縄総合福祉センターで、フードバンクを全国展開しているセカンドハーベストジャパンの代表を招いた説明会も予定されています。