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防衛省は、本部町に建設を予定していたP3C哨戒機の送信所の建設計画中止を9日までに正式に地元に伝えました。長年、建設に反対していた町は計画の中止を歓迎しています。
海上自衛隊のP3C哨戒機は主に通信や偵察に使われる航空機で、那覇基地には現在およそ20機が配備されています。県内では、尖閣諸島などの監視飛行を主な任務にしています。
国はこのP3Cに地上から情報を送る送信所を旧日本軍が使用していた上本部飛行場の跡地に建設する計画を立てましたが、71年の飛行場の返還からこれまで37年、町の反対などから移設予定地は工事も開発もされない状態が続いていました。
町ではこの30万平方メートルの土地に滞在型の保養地を作る計画を長年あたためていて、2001年にはこの事業が北部振興策にも採択されていたことから、町民も「軍事基地が出来ずに本部町に土地が帰ってきて嬉しい」と送信所の建設断念を歓迎しています。
防衛省は計画中止の理由について、地権者との賃貸借契約が今年度末に切れることや地元の強い反対をあげています。しかし「送信所の建設は必要」という立場は崩しておらず、今後の防衛省の動きが注目されます。