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沖縄の新たな観光スポットを目指し、ことし5月に設立された沖縄プロレス。先週土曜日に行われた旗揚げ試合には、大勢のプロレスファンや観光客が会場を埋め尽くし、沖縄色満載のアトラクションや迫力満点の大技に酔いしれました。試合の様子とレスラー達の思いを岸本記者が取材しました。

土曜日に行われた沖縄プロレスの旗揚げ試合。団体のテーマは「地域密着」、そしてとにかく「楽しいプロレス」。

今から2か月前、立ち上げのために大阪や北海道から沖縄の地に集結した若手のレスラー達は、これまで那覇市内のビーチで練習に励んできました。

「492!493!」

砂浜での走り込みに足腰を鍛えるスクワット。ビーチで気持ち良さそうに泳ぐ人達を全く気にもせず、ひたすらトレーニングに励みます。たとえリングが無くても、プロレスの基本技の練習は欠かせません。

かなり痛そうですが、そこはさすがにプロのレスラー。何度でも、自分から進んで技を受けます。

体格も個性もばらばらのレスラーをまとめるのはパイレーツオブ美ら海ザックです。

パイレーツオブ美ら海ザック「夢をもって、一つの目標に向かっていく姿勢を人に見せたいという思いから、プロレスラーを目指したと思いますね」

こんな熱い思いを持ったレスラー達が合宿生活を送るビーチのそばの一軒家。この日の昼ごはんは、マングースが作る豆腐と野菜がたっぷり入ったちゃんこです。

マングース「ばっちりです。やっぱり野菜と肉の栄養バランスを考えて作ってますんで」

「いただきます!」

大きな歓声の中、スポットライトを浴びて沖縄初のリングに上がるその日を夢に見て、彼女にも会えない我慢の生活を続けてきた選手たち。

旗揚げ試合の5日前にはまだ建築資材が転がり、間に合うかと心配された会場。

試合当日には200人の定員では収まらず、立ち見も出るほどの多くの観客が集まりました。

試合の前には、歓迎の舞「四つ竹」も披露されました。

スペル・デルフィン社長「沖縄プロレス旗揚げ出来ました。ありがとうございます!」

沖縄出身のタレント・早坂好恵さんの夫であるスペル・デルフィンさんは、沖縄への恩返しと大阪プロレスに次ぐ新たな挑戦のために、沖縄プロレスを立ち上げました。

旗揚げ試合には、生まれたての沖縄プロレスとスペル・デルフィンさんを応援しようと、本土から多くの有名選手も応援に駆けつけました。

いきなり巨体同士の激しいぶつかりあい。あっという間に観客の目をくぎつけにします。

速い展開と豪快な技の掛け合い。その高い完成度はさすがトップスターです。

世界一美しいと評される豊田選手の得意技ローリングクレイドル!

しかし、試合の後半、疲れたロビンと豊田選手が突然、仲間割れ。一人になったロビンはレフェリーまで攻撃の道具に使おうとしますが・・・。

そして最後は、相手の首をひねって投げて、デルフィンクラッチで勝負あり。スペル・デルフィンと伊藤薫選手のタッグが初勝利を飾りました。

この後は、波の上の合宿に参加していた若手レスラーが続々と登場!

それぞれのキャラクターを活かした技で観客を沸かせます。

そして、今では沖縄でもほとんど見られなくなったハブ対マングースの決闘もあり、トップロープからの迫力のある大技と、コミカルなしぐさに会場は大きな歓声と笑いの渦が巻き起こりました。

「鍛えられた肉体の美しさ」と「笑い」その2つを同時に味わえるプロレス。

レスラーたちのパフォーマンスは、コアなプロレスファンのみならず、若い女性や子ども達の心も鷲つかみにしたようです。

怪人・ハブ男「この団体には僕たちの夢が一杯につまってます!みなさん、これからも熱い声援よろしくおねがいします!」

そしてスペル・デルフィン社長は沖縄プロレスの将来的な姿を、武者修行に出かけたメキシコのプロレスに近い、生活のすぐ傍にある娯楽へと進化させたいと考えています。

スペル・デルフィン社長「旅行で来て観れる。そして沖縄県民の方はごはん食べてから見に来てくれる。これはメキシコでも同じ。もちろん沖縄の純粋なレスラーを作りたい。そのためにはここでプロレス教室をしていこうかなと思っている。俺の町にはこういう団体があるんだよと、誇れる団体にしていきたいと思いますね」

沖縄プロレスは今、その大きな夢に向って小さな一歩を踏み出したばかりです。

それにしてもすごい迫力でした。本当に腰とか首とか大丈夫なんでしょうか?

この沖縄プロレス今月は土日と祝日に開催され、来月以降は様々なお祭りにも出張する予定もあるということです。沖縄の新たなナイトスポットの目玉になるといいですね。