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普天間爆音訴訟 国に1億4600万円の賠償命じる

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周辺住民が、アメリカ軍機の飛行差し止めなどを求めた普天間基地爆音訴訟の判決が26日行われ、那覇地裁沖縄支部は飛行差し止め請求を棄却、一方で騒音の違法性を認め、国に1億4600万円の損害賠償を命じました。この裁判は、住民およそ400人が国に対して、アメリカ軍機の夜間と早朝の飛行差し止めや総額およそ4億5千万円の損害賠償などを求めていたものです。

那覇地裁沖縄支部の河合芳光裁判長は、原告らは騒音によって生活妨害や精神的苦痛を受けていると違法性を認め、国に対し原告全員分合わせておよそ1億4600万円の賠償を命じました。

しかし飛行差し止めについては、「日本政府はアメリカ軍の活動を制限する立場にない」として、訴えを退けました。判決を受けて新垣勉弁護団長は、「普天間基地について、初めて、違法な爆音であることを認めた」と、一定の評価をしました。

また、島田善次原告団長は、「差し止めをなくして、単なる金だけ払えばいいという風な論理は原告団としては受け入れられない」と訴えました。また判決では、2004年のヘリ墜落事故についても触れ、「墜落するのではないか」という恐怖感は精神的な被害を増幅していると原告の主張を認めました。

そして注目されたヘリ独特の「低周波騒音」については、健康被害との因果関係を否定する判決となりました。

普天間爆音訴訟判決に政府は

普天間基地爆音訴訟の判決に対し町村官房長官は26日の記者会見で、「飛行差し止め請求と将来の損害賠償について、国の主張が認められたということについては妥当な判断が示されたと思っている」、「できるだけ沖縄の県民の皆様のご負担を軽減できるよう努力していきたいと考えている」と述べました。

また、沖縄防衛局の真部局長は、過去の損害賠償請求が認められたことに対し、「裁判所の理解が得られず残念」と、コメントを発表。26日午後の記者会見で、普天間の騒音や危険性を早く無くすため普天間基地の辺野古への移設を着々と進めたいと述べました。

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周辺住民が、アメリカ軍機の飛行差し止めなどを求めた普天間基地爆音訴訟の判決が26日行われ、那覇地裁沖縄支部は飛行差し止め請求を棄却、一方で騒音の違法性を認め、国に1億4600万円の損害賠償を命じました。この裁判は、住民およそ400人が国に対して、アメリカ軍機の夜間と早朝の飛行差し止めや総額およそ4億5千万円の損害賠償などを求めていたものです。

那覇地裁沖縄支部の河合芳光裁判長は、原告らは騒音によって生活妨害や精神的苦痛を受けていると違法性を認め、国に対し原告全員分合わせておよそ1億4600万円の賠償を命じました。

しかし飛行差し止めについては、「日本政府はアメリカ軍の活動を制限する立場にない」として、訴えを退けました。判決を受けて新垣勉弁護団長は、「普天間基地について、初めて、違法な爆音であることを認めた」と、一定の評価をしました。

また、島田善次原告団長は、「差し止めをなくして、単なる金だけ払えばいいという風な論理は原告団としては受け入れられない」と訴えました。また判決では、2004年のヘリ墜落事故についても触れ、「墜落するのではないか」という恐怖感は精神的な被害を増幅していると原告の主張を認めました。

そして注目されたヘリ独特の「低周波騒音」については、健康被害との因果関係を否定する判決となりました。

普天間爆音訴訟判決に政府は

普天間基地爆音訴訟の判決に対し町村官房長官は26日の記者会見で、「飛行差し止め請求と将来の損害賠償について、国の主張が認められたということについては妥当な判断が示されたと思っている」、「できるだけ沖縄の県民の皆様のご負担を軽減できるよう努力していきたいと考えている」と述べました。

また、沖縄防衛局の真部局長は、過去の損害賠償請求が認められたことに対し、「裁判所の理解が得られず残念」と、コメントを発表。26日午後の記者会見で、普天間の騒音や危険性を早く無くすため普天間基地の辺野古への移設を着々と進めたいと述べました。

記者解説

判決のポイントなんですが、損害賠償は認められましたが、その他の請求は却下されました。将来分の賠償請求は却下されました。低周波音の被害も認められませんでした。肝心の飛行差し止め請求は、「日本政府はアメリカ軍の活動を制限できない」として、請求の理由がない、としたんです。

「これはどう評価できるんでしょうか。」

はい、唯一認められた損害賠償は1億4000万円余りと一見高額なようですが、これは、原告1人あたり、月3000円から6000円を、提訴前の3年間の被害に限定して支払うというものです。長年の苦痛を訴えた原告にとっては、満足できるとは言えなそうです。

「そうですか、ではどうやって被害を認定したのかを見ていきましょうか。」

はい、爆音訴訟では、騒音の出る時間帯や回数などから「うるささ指数」を算出して、被害を数値化します。これを見てください。全国の爆音訴訟でも、過去の被害はほとんど認められています。争点は騒音の程度、うるささ指数いくつから賠償を認めるか、ということなんです。最近は、うるささ指数75以上から賠償を認める判決が増えつつあります。しかし、3年前の新嘉手納爆音訴訟はうるささ指数85以下の区域には賠償を認めない判決が出ています。

そのため、このように、75から80の区域にすべての原告が住む今回の裁判は、賠償が認められるか心配されていました。しかしきょうの判決は、うるささ指数75以上の騒音は違法とし、すべての原告に賠償を認めました。これは一定の評価をされると思います。しかしこの裁判では、この「うるささ指数」には表れにくい、ヘリ独特の騒音被害も認定するよう訴えていました。このヘリ独特の騒音被害というのが、「低周波音」被害です。

「低周波音とはどんなものなんですか?」

はい、低周波音とは、ジェット機のような爆音とは違い、波長の長い低い音です。原告は、この音による頭痛などの体調不良を主張していました。また、低周波は遠くにいても、屋内でも伝わりやすく、突然家具がガタガタ揺れる現象などを引き起こすとして、睡眠妨害などを訴えていました。

「騒音の質が違うと言うわけですね。」

はい、裁判所も、この低周波音によるイライラや不快感を受けている人が多いと思われると述べてはいるんです。しかし、すべての原告が同じように低周波音の被害にあっているとまでは言えないとして、低周波音による被害は認めませんでした。

「原告の方にすれば、被害は認定しても飛行差し止めは却下するという判決はやはり納得しがたいということでした。そして、この判決について、宜野湾市の伊波市長にもお話を伺いました。」

伊波市長「やはり普天間は解決されなければならないということを司法も認めたということで、日米両政府が約束どおり全面返還を1日も早く実施するよう求め続けて生きたい」

国は移設を急ぎたいとコメントしているように、普天間の返還に向けた国の作業は加速すると思われます。ただ、今の辺野古への移設計画を実行すると、そこの住民に同じ苦痛と被害を与えることを、この裁判が証明したわけです。この判決を受けて、県内移設はやはりダメだという議論が高まる可能性もあります。