めざせ甲子園、14校目は八重山商工です。チームには去年に続き、今年も本土から5人の1年生が入部しました。ところが、去年、甲子園の夢を求めてやってきた選手達にちょっとした異変が起きていたのです。
県立八重山商工高校今から2年前、日本最南端の球児達が、春と夏の甲子園を沸かせました後輩達は今、その「夢」を負い続けています。
波平浩太選手「3年で最後なので、最後しっかりいい結果を残して、自分はいい結果を残していないので最後くらいはしっかりしめたいと思います」
八重山商工、今年のエースは波平浩太。持ち球の切れ味に加え、精神的にも成長しました。この他、2年生で右の花城直将や、ロッテの大嶺裕太投手の弟、大嶺翔太など、4人の投手陣が揃う粒揃いで、監督評価も4点。また、今年は特にバッティング練習に重点を置いた八重山商工。この夏の各チームが揃える好投手対策は万全で、攻撃からリズムを作るスタイルを目指します。
伊志嶺吉盛監督「そういう意識がないんだ、意識が」「見りゃわかるよ、ばかいい加減にやるんじゃないよいい加減によ」
ところで、甲子園での活躍を受け、去年、八重山商工には島の歴史上、初の本土からの野球留学生が入部、話題になりました。実は伊志嶺監督、この本土組に、大きな希望を抱いていたのです。
伊志嶺吉盛監督「(高い)意識を高く持って(本土から)来てくれたという子ども達にもの凄く期待していたんですね。」
はるばる海を越えて、甲子園の夢を求め、やって来た選手。「島に新しい野球を吹き込んでくれ」そう監督は願っていました。と・・ところが・・・。
北倉選手「いや〜。やっぱり自分たちもこっちの島の雰囲気に染まってしまったかなという部分もあります」
金城賢貴主将「まぁ〜島んちゅが多いんで・・・そこらへんは」
多勢に無勢・・・か、今ではすっかり島の人に
伊志嶺吉盛監督「彼らが島に同化してる。島の文化が強いね〜!島の野球文化素晴らしい。もうそれに尽きる全然変わらない」
しかし、そんな彼らも、今年、同じように本土からやって来た1年生の姿を見ていると・・・。
北倉選手「自分も初めこんなだったな〜と思い返してまた自分もキビキビやろうかなって思ったりして」
加藤次郎選手「新入生を見たら活きが良いというか、自分達も入学当時はあんな感じだったのかなあって思います」
しかし二人の影響が、決してなかったわけではないのです。
伊志嶺吉盛監督「ただやはり変わったというのは野球に対する姿勢は良くなったね。ずるをする子が少なくなった」
花城直将選手「やる気と粘り強さです」
この日は、テストを前に野球部は勉強合宿。お母さん達の手作りカレーを味わいながら、また一つチームの絆を深めました。
「本土の風」がいつ吹くのかは、分かりませんが、「石垣の風」と合わさった心地良い風が今、チームには吹いています
加藤次郎選手「監督と選手の間が近くて、僕の行きたかった学校、そのままでした」「これから挽回するっていうか、今から本土の風を吹かせたいと思います」
北倉選手「夏は気持ちが強いところが勝つと思うので気持ちをしっかり出して頑張っていきたいです」
金城賢貴主将「今までやって来た事を思いっきりやれれば良いと思っています」
伊志嶺吉盛監督「春の大会を終わってここまでそれなりのチーム作りは出来たと思いますね」「強豪チームと当たっても早い時期にあたることが出来れば、勝機はある」
八重山商工野球部「甲子園いくぞ〜!!!」
今年もまた、家族のような「絆」で結ばれた八重山商工の戦いが楽しみですが、その八重山商工は、いきなり第3シードの中部商業と初戦で対戦します。めざせ甲子園明日は最終回、春の王者、沖縄尚学です。