めざせ甲子園、7校目の今日は向陽高校です。進学校のため、部活の時間が限られている野球部は、様々な工夫をして練習に励んでいます。
進学高として知られる県立向陽高等学校、取材に行ったこの日も中間テスト前ということで、部活は禁止。しかし野球部が別の場所に集まっていました。その場所は物理教室。
テスト休みの間も、野球部はここで勉強会を開いています。この野球部のなかで、ひときわ受験勉強に励む3年生がいます。
宮里明良右翼手「(Q:志望校はどこ?)九州大学にいきたいです」
宮里明良くん、夢は弁護士です。
向陽高校は今年、国公立大学に97人の合格者をだした進学校。大学進学を目指し、授業は7時40分の0校時から始まり、6校時が終わるのは夕方の4時25分。よって部活の時間は、平日は限定1時間、学校のない土曜日でも2時間の練習か、対外試合が1試合認められているだけ、日曜日は部活は禁止です。
平日1時間の活動では、限られた練習だけしかできません。グラウンド整備もままならないため、整備は翌日の昼休みに行います。
宮里明良右翼手「(Q:お昼はいつ食べるの?)その前の休み時間に食べて、間に合わせます」
そして昼休み以外も・・・。
山城正弥投手「家で自分で自主練習したり、休みの日は走ったり、時間のないところは自分で補っています」
宮里洋平主将「普段練習時間が短いので守備練習しかできないんですけど、家に帰ってみんな素振りして」
仲里武史監督「(Q:時間の制限は自主練で補っているんですか?)はい、それが本当に生命線というか・・・。これがあって、今のところどうにか持っている形かなと思います」
限られた時間を大切にして野球に励む宮里君。宮里君は部活が終わると補習を受け、家に帰っても夕飯を食べずに机に向かいます。
そんな宮里君にとって高校野球とは・・・。
宮里明良右翼手「「なかったらだめですね。小さい頃から野球をやっていたので、この頃が一番楽しかったなって思って。(受験の不安は)野球をしているときだけは忘れられます」
いつも小さい頃から宮里君を支えてくれたのは野球でした。宮里くん達3年生には、最後の夏、どうしても手にしたいものがあります。
宮里明良右翼手「今まで、まだ一回戦も突破していないので、なんとか一回戦勝ちたいです」
練習時間の制限もあって、3年生は公式戦でまだ一度も勝利を手にしていません。
仲里武史監督「僕自身も早く一勝がしたい、この子達と一勝がしたいという気持ちが強い」
山城正弥投手「目の前の勝ち、目の前の試合に集中して一つずつ、一つの勝ちにこだわって、欲張るんじゃなくて、その一つを大切に勝っていきたいと思います」
宮里洋平主将「夏は一勝と言わず、二勝三勝と、いっぱい野球ができるように頑張りたいです」
「絶対勝つぞ!」
明日は、今大会の第3シードで優勝候補の一角、中部商業です。