いよいよ今年夏の甲子園を目指す高校野球沖縄大会が来月14日に開幕しますが、きょうから開幕前日までの3週間にわたり、今年の出場校の中から強豪校や注目校、話題校を15校ピックアップして紹介する「めざせ甲子園」をお送りします。
まず1回目を飾るのは去年の夏の代表校、興南高校です。センバツで優勝した沖尚や春の県大会で優勝した浦添商業といった強豪校に注目が集まる中、虎視眈々と上位をうかがう興南の存在を忘れてはいけません。
去年夏の甲子園、興南はチームのOBで、社会人でも監督を務めるなど、経験豊富な我喜屋優新監督をチームに迎え、24年ぶりに甲子園に出場。2回戦まで勝ち進み、爽やかな風を吹かせました。
3年生が抜けて新たなチームとなった今年、2年連続甲子園出場へ向け、周囲の期待も高まっています。
我喜屋優監督「去年(の優勝)は去年のことで。選手が変わればチームもまったく変わることですから、去年の事は意識しないで、去年同様チャレンジする気持ちを忘れないで(臨みたい)」
去年の県大会では、ダークホース的な存在として見られていた興南を一躍、県代表まで駆け上らせた我喜屋監督。監督2年目となる今年の夏は、沖尚や浦商、中商といった強豪チームがひしめき、去年よりも厳しい状況でありながらも、着実に「夏」に照準を合わせています。
我喜屋優監督「(春の優勝校が沖縄にいる)そういう中で勝ち進んでいく。代表になるということも含めて、非常に意義のある今年の大会じゃないかなと思います」
連覇へ向けた興南の核になるのが「去年の財産」。チームには去年の甲子園経験者が、実に8人も残っています。このうち、去年2年生ながらキャッチャーとしてマスクをかぶった宮里哲平選手は、キャプテンとしてチームをまとめる存在。
宮里哲平主将「プレッシャーはそんなに感じないんですけど、一応前年度の覇者として、結果を残さないといけないというところはあります」
しかし、今チームは様々な壁と戦っていました。
石川清太投手「徐々に夏に向けて頑張っているので」
去年の甲子園では「王子」のニックネームもついた2年生の石川清太投手が春先から右肩を故障。夏へ向け、調整が続いています。
さらに今年エースとして期待がかかる当山和人投手ですが、フォームが乱れ、本来のピッチングを取り戻せていません。
当山和人投手「やっぱりまだ自分の思うとおりに投げられないので、今の状態でチームを引っ張れるか心配なんですけど」
果たして今年の興南はどうなってしまうのか・・・。では、ここで気になるチームの戦力分析を!!
完全でない投手力に、我喜屋監督の評価は2.5。しかし、1年生でMAX135キロを誇る右腕、山川大輔投手が頭角を現し、さらにこの1年生の出現が他の投手陣へ良い刺激も与えていて、投手力の底上げも期待される存在。
続いて打撃力。今年のクリーンナップは3番・キャプテンの宮里哲平選手。4番は、去年5番を打った砂川匠吾選手が打の柱になります。
砂川匠吾選手「みんなに頼られるバッターになりたいです。どこのコースでも対応できるようなバッティングをしないと崩せないと思うので、それに取り組んでいます」
続く5番は、鋭いスイングで上手さが光る2年生の冨里川奨也選手。この他、上位から下位まで、去年同様隙のない野球を目指す打撃力の評価は3.5。他、守備力は3.2、機動力は4。
我喜屋優監督「去年の代表チームだから2連覇をかけてというような、他人が期待するような目標は置いておいて、自分達が今何をしなければならないかという“足下の目標”から高めていくということに取り組んでいます」
「足下の目標」。相手と戦う前にまず自分との戦いがある。これが今年も変わらない我喜屋監督の哲学。「夏連覇へ」興南の戦いはすでに始まっている!
砂川匠吾選手「3年生最後なので、後悔のないように、一瞬一瞬を大切に皆と楽しんでいます」
石川清太投手「また(甲子園に)帰りたいという気持ちはいっぱいあります」
当山和人投手「自分が復活して、またチームを引っ張っていけるように。開き直って、夏までは間に合わせて、思いっきりプレーしたいと思います」
宮里哲平主将「やるしかないというのが一番大い。(周囲は今年は沖尚が行くのか?と騒ぐが)自分達はしっかり自分達の野球をして、結果が出てくれればいいと思っています」
頑張るぞ!
興南は春の県大会でベスト4進出を逃し、今年の夏はシード校ではありません。しかし、去年もノーシードながら県代表を掴み取っていますので、ベテラン監督がまた今年どんなマジックを見せてくるのか楽しみなチームです。
明日は「民謡の達人」部員が登場、前原高校です。