まずこちらをご覧ください。「気になるオセロ」テレビ朝日系列で放送されていたバラエティー番組で使われていたタイトルなんですが力強いというか独特な文字ですよね〜。この文字を書いたのが沖縄出身の浦崎善隆さんという方なんです。実は、今 全国から注文が殺到するほど人気を集めているんです。浦崎さんの一筆にかける思いを取材しました。
独特なタッチで迷いなく筆を走らせているのは、浦崎善隆さん40歳。誰の師事も受けていない善隆さんは、「書家」とは名乗らず「書浪人 善隆」として10年前から活動しています。
若竹作業所の館長 村田さん「普通は、いい筆でいいものを書くというのがあるでしょ。どんなものでもこの人の手にかかれば筆になっちゃうんですよね。」
テレビ番組の題字の他、店の看板などのデザインも手がけていますが、アトリエや工房などは無く、道具は、ただ一つこのバッグだけ。書いて欲しいと言われれば、全国どこへでも出向くのです。
今回、善隆さんが向かった先は・・・ 生まれ育ったふるさと石垣島。毎年この時期に行われる、トライアスロン大会でチームテイケイの監督から横断幕を書いて欲しいという依頼です。
善隆さんが書を始めるきっかけになったのが、このトライアスロン大会。市役所の職員として勤務していた頃、横断幕やTシャツのデザインなどを手がけ、それが話題となり注文を受けるようになりました。今では、書だけで生計を立てているのです。
まず、どんなメッセージにするのかを会話から生まれる印象で直感的に選び出します。善隆さんのスタイルは、下書きや書き直しをせず一気に書き上げること。モップとは思えないほどの筆さばきで仕上げていきます。
依頼者「その言葉で、浦崎さんが書いていただいた一発目に魂を感じた。単に書いているだけでなくて、全てに心が入っているんで選手明日頑張れるんじゃないかって。」
ものの見事に横断幕を仕上げた善隆さん。石垣では、もう一つ依頼を受けていました。石垣の自然が好きで移り住んだというこちらの夫妻、新築をしたのでかけ軸を描いて欲しいというものです。
「力強いほうがいい?繊細なほうがいい?今書いた気持ちをそのまま落としていい?力強いほうがいい。」
この掛け軸も一気に仕上げます。そして・・・・
善隆さん「奥さん書くのは、とぅばらーまでよろしいですね。」
後藤さんのだんなさん「この言葉が書かれているTシャツ探して結局見つからなかったんですけど・・」
奥さん,その文字を書いていたのが善隆さんがって知っていたんですか?「知らなかったです。」
善隆さんの思いを込めた文字が結んだ思いがけない出会いとなりました。
トライアスロン大会当日、善隆さんが書いた横断幕は、選手たちの目に止まるよう高々と掲げられていました。
「田山選手ありがとうございます。 やっぱりあの字をみると見えない何かがでてくるような。」
監督「あのおかげです。 ホントおかげです。」
なんと、チームテイケイの田山選手は、何と日本の男子で一位。そして、北京オリンピック出場の望みを残す結果を出しました。
「人と人とつながり僕の墨汁で線を引っ張る点が僕の書いている点が線になってつながっていくようで、辺り幸せの種まきをしていきたい」
全て一発勝負で完成させる作品。善隆さんの文字のパワーが多くの人の心を捉えています。
さて、県内ではあまり活動していなかった善隆さんですが、ゴールデンウイーク期間中、沖縄ワールドでご覧の日程で文字を書くということです。