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環境を考える「美ら島の提案」です。年間2000万トン。何の数字かわかりますか?これ実は一年間に排出される生ごみの量です。すごい量です。そしてこの生ゴミの5割から8割は水分。これをそのまま可燃ゴミとして焼却処分すると、燃えにくいために燃料を大量に使うことになり、さらに焼却炉内の温度を下げて、ダイオキシンの発生しやすい条件を作り出すなど、大きな問題となっています。

生ゴミの減量は家庭にとっても大きな課題。きょうはその生ゴミ減量に取り組む県内の自治会を紹介します。

うるま市のこの家庭では、食事の後に出た生ゴミを通常のゴミとは分けて缶に入れます。子どもや孫たちも集まってお昼をとったというこの日は、いつもより多くの生ゴミがでました。

このゴミをどうするのでしょう?じつはこの缶の中で、ゴミは資源に生まれ変わるのです。

EM菌を活用した「ぼかし」と呼ばれる発酵肥料。ここに生ゴミを入れるとさらに発酵が進み、堆肥になります。うるま市みどり町5・6丁目自治会の会長をつとめる金城アサ子さんは、2000年からこの堆肥作りを通して生ゴミの減量・資源化に取り組んでいます。

みどり町5・6丁目自治会長・金城アサ子さん「一人一人ができることから始めないといけないですよね。ゴミというものは生活と直結しています、生ゴミというものは。それをゴミとして出すのではなく、また資源として(土に)返していくのが一番、温暖化に対して優しいやりかた」

自治会では月に一度、堆肥の元となる発酵肥料作りをおこなっています。肥料をかくはんする大きな機械も住民の手作り。ここでできた肥料は各家庭で自由に持ち帰り、自宅の庭のアタイ、自家菜園や庭木に使用されます。

金城さん「これ(堆肥作り)をやって、さらに自分が食べる作物が安全に無農薬で食べられるとか、色んな形でつながっていて、やって良かったと思いますね」

みどり町町内に庭に畑を持つ家庭が多いことも、堆肥作りの取り組みを広げるきっかけとなりました。それまで積極的でなかった男性が、畑と堆肥作りを通して自治会活動に参加するようになったのも、金城さんにとっては嬉しいことでした。

金城さん「男性が多いんですよ。男性ってなかなか地域に溶け込むのがとても苦手なんですけど、なにかの共通性があるとすんなり入れる。誰それさんが作ったんだけど、すごく栽培は簡単らしいよ、見に行こうか?とか、そういう共通の話題ができて、結びつきが強くなったんです」

旧具志川市の頃から、環境については独自の取り組みをおこなってきたうるま市。有用微生物を使った環境浄化などの方針も打ち出しています。そのせいか、市民の環境に対する意識も高く、環境省の調査によると全国で一番、家庭ごみの排出量が少ないという結果も出ています。

金城さんとともに堆肥作りに取り組んでいる、同じくうるま市の長浜真盛さん。自分の畑でも手作り堆肥を使っていましたが、現在、その畑に地域の子どもたちを招き、環境学習を行っています。

長浜真盛さん「子どもたちに見てもらうという点では、こういう身の回りにアタイ小や広い農地があるというのは、案外、学習の場としては適切じゃないかという気がします」

市職員を退職後、現在は社会教育指導員として学校へ出向き、地域の歴史や自然を子どもたちに教えている長浜さん。学習は情報や書物だけでなく、実際に触れることが大事だと考えています。もちろん、環境問題も。裸足になって、土の温かさを感じながら、子どもたちは慣れない手つきで土を掘り返します。

「うあ、ミミズ!うわー!」「おーでかい!あ、こっちにもあった」「(Q:どういうことが楽しかった?)大っきいジャガイモ出てきた。(Q:どんな気持ち?土さわってると?)ちょっと気持ちがいい」「おもちゃ(であそぶ)くらいおもしろかった。(Q:きょう取れたおいも、どうするの?)カレーちゅくる」

長浜さん「やはり子どもたちは大人以上にそれ(環境問題の深刻さ)を感じ取っているんじゃないでしょうか。体を維持しているのが食べ物ですから、食育というものをまず環境(問題)の第一番目にあげたいと考えています」

食をはじめ、自分の生活そのものが環境であり、できることは身の回りにいくらでもある。環境問題はたえず身近にあるものだということを子どもたちが理解するのは、そう遠い将来ではないようです。

環境問題は今や論じるものではなく、解決のために何か出来ることに取り掛かるべきときだといえます。きょうはうるま市みどり町を紹介しましたが、このコーナーではこれからも環境問題を考える人たち取り組みを紹介していきます。どうぞ身近な情報もお寄せください。