今年は衆議院の解散総選挙が確実視されています。そこできょうは3区の選挙区の現時点の動向についてお伝えします。
与党側は現職で5期目を目指す自民党の嘉数知賢さん。これに自民党県議会議員の小渡亨さんが名乗りを上げ、内部分裂の様相を呈しています。
一方の野党ですが、こちらも社民党県議の新川秀清さん。それに前回も立候補した民主党3区支部長の玉城デニーさんが手を上げています。
このまま行くと与野党とも内部分裂の可能性もあり、波乱含みです。金城記者です。
自民党・小渡亨県議「10年以上もされていますから、でももういいんじゃないかという気はしています」
沖縄市区選出の自民党県議会議員の小渡亨さん、現職の嘉数知賢さんの多選を批判して、次期衆議院選挙は3区から出馬する意向を示しています。
本島中北部が選挙区の3区は、現職の嘉数知賢さんが5期目を目指して年明けから活発な動きを見せています。後援会会長の当銘由親さんはこう話します。
嘉数後援会・当銘由親会長「12月だったかと思います。本人の(出馬の)意志もありましたし、東京から自民党の先生方もそれに向けて激励しておりましたので、これは(現職として)既定の事実として差し支えない」
小渡さんが次期衆院選に手を上げたのは、遅れている中部の振興だといいます。
小渡亨県議「20年間、中部から与党の国会議員が出ていない。北部を見た場合に、あるいは南部を見た場合に、中部の振興が遅れているというのはみんな肌で感じています」
つまり、基地問題や泡瀬埋め立て、中城湾口自由貿易地域への企業誘致がなかなか進まず、中部が停滞しているのは、中部から衆議院議員がいないことだとし、暗に北部出身の嘉数さんを批判しています。
小渡亨県議「(現職優先は)小選挙区の弊害。導入されて10年以上もたって、平成8年に通った人がずっとやっていると。これでいいのかと」
これに対して嘉数さん側はあくまで現職優先だと強調しています。
嘉数後援会・当銘由親会長「自民党の場合は現職が出ると公認問題は(現職)優先すると理解している」
自民党3区支部で嘉数さんは支部長、小渡さんは幹事長。2人の確執は後継問題とも複雑に絡み合っていると言われています。
小渡さん側の後援会は、次は小渡といいながら本人の長男を後継と考えている、と批判。これに対して嘉数さん側の事務所は、譲ると言ったことはない、と反論しています。
次期衆院選に向け、双方一歩も引く構えはなく、一本化の可能性は不透明な状況です。
社民党・新川秀清県議「3区というのは基地の掃き溜めです。今のこの地域を変えていく、沖縄を自立させていくためどうするかという思いは誰にも負けないつもりです」
民主党3区支部・玉城デニー支部長「様々な生活課題が山積したままになている。これを何とか変えるためにはぜひ議席を獲得して政権を交代すると」
野党は前回選挙同様、社民と民主の予定候補者が激しい前哨戦を繰り広げています。社民は東門さんが持っていた議席を回復するため、県議会議員の新川秀清さんが名乗りを上げています。対する民主は前回選挙にも立候補した玉城デニーさんです。
玉城デニー支部長「数対数の勝負にはなっているのが今の国会の状況ですから、そういう意味では自公政権にしっかり対峙できるのは民主党だと思います」
玉城さんは、去年夏の参議院選で民主党が躍進したことを背景に、再度3区から勝負をかけます。しかし、社民の新川さんは、沖縄の声を届けるのは社民だけだと引く構えはありません。
新川秀清県議「一本化ができなければ社民党として、そうですか、という訳にはいかない。特に議席を過去に持っていた、2期にわたって社民党の議席があったわけですから、(民主党に譲るのは)簡単じゃない」
新川さんとデニーさんとも、最終的には社民、民主両党の本部での話し合いになると見ていますが、両方とも意志は固く、現時点での調整は困難な情勢です。
与野党の顔ぶれはそれぞれに出馬への思いがあり、次期衆議院選挙の日程が確定するまでは、3区から目が話せません。