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きょうはいつ解散してもおかしくないといわれる衆議院選挙について、特に激戦が予想される1区についてお伝えします。

次の総選挙に予想される顔ぶれを紹介しておきますと、現職の下地幹郎さん、前回の選挙では自公候補を破って返り咲きを果たした人物です。そして、今回は絶対に負けられない戦いを強いられている自公ですが、その協力関係がもしかしたら崩れてしまうかもしれません。というのは、自公ともに1区からの立候補を譲らない状況なんです。まず公明党からは前回、下地さんに敗れた白保さん。一方、自民党も今回はなんとしても候補を立てたいということで、県議の国場幸之助さん、引退を表明している中村正治代議士の長男、そして弁護士の与世田さんの擁立の動きがあってまだ絞り込まれていません。さらに共産党はすでに外間久子さんの擁立を決めていて乱立の様相を呈しています。自公は協力体制を維持できるのか、そして野党も共闘態勢を整えられるのか。現状を金城記者のリポートです。

政党そうぞう代表・下地幹郎衆院議員「皆さん、今回だけは変化をつくってみましょう。変革つくってみましょう。新しい政権をつくってみましょう」

去年の福田内閣発足と同時に選挙態勢に入った下地さん。しかし、反自公でまとまった前回選挙と違って、今回は野党側が他の選挙区でそれぞれが候補者を擁立する方針を打ち出しており、政党間の選挙協力は不透明な状況です。

社大党・比嘉京子書記長「衆議院選挙につきましては、全区でまだ議論をしておりません。そのために現在は白紙状態であると」

前回選挙で下地さん支持に回った社大党は、今回は一定の距離を置いています。下地さんにとっては各政党の動向次第で影響は避けられず、反自公の再結集実現がカギとなっています。

下地幹郎議員「保革とかイデオロギーとか、こういうことを私は考えてはいけないと思うんです。自民党と公明党政権から変えるということになってくると、私はイデオロギーも全部捨てて、協力し合うべきだと思っています。協力し合って、お互いで力を存分に出し合って新しい政治をつくる」

公明党県本・糸洲朝則代表「2年前に白保さんの議席を失いました。失って、この議席がいかに大事かということを痛感いたしております。したがって何としてもこの議席を回復したい」

公明党幹部は、この2年間の県選出国会議員の不在を「本当に痛い」と話します。特に自公協力のモデル地区としてこれまで小選挙区で議席を確保してきただけに、党勢拡大にも影響を与えました。そして、自民党県連内部から独自候補を擁立すべきとの動きもあり、自公協力そのものが不安定要素を孕んでいます。さらに公明党内部には、これまで2度も落選していることもあって、白保さんに対する評価がけして一枚岩でないことも確かです。だからといって白保さんに代わり、国政選挙を戦える公明党の顔、人材はといえば、やはり白保さんしかいないというのが現状です。

公明党・白保台一前衆院議員「向こうは向こうで政党ですから、そういう考え方でやってらっしゃるかも知れませんが、しかし与党としてはきっちり調整して、与党構成をしていかなくてはいけません。向こうの動きはともかくとして、我々としては既定路線で頑張っていくということです」

2区から4区まですべて選挙協力し、1区を自前でとしてきた公明党にとって、1区の自民党の出方次第では他の選挙区の選挙協力のあり方にも影響が出るだろうとしており、自民党の動きをけん制する発言も飛び出しています。

その相手の自民党。新年の集いで決意を示しました。

自民党県連・新垣哲司幹事長「今年は自由民主党にとっても大変試練の年と言われております。去年のあの参議院選の敗北から自民党は建て直しをしなければならない」

2005年9月の衆議院選挙で自公協力の議席を失い、去年夏の参議院選挙で現職を落とした自民党。次期衆議院選挙では県都・那覇の1区でどうしても自前候補を出そうという動きが高まっています。

自民党県連1区支部・支部長選考委員会「候補者の中から国場幸之助さん、仲村家治さん、与世田兼稔さんの3人に絞り込んでいきたい。一つは当然自公協力であり、それから勝てる候補ということで選考しました」

選考委員会は、選考基準として自公協力を上げましたが、自前候補を出すには公明党の協力を得られる人、という考えです。この1区の動きは、もはや自民党で行くとの強い姿勢であり、自公での一本化調整の主導権を握るためにも、1区の支部長の決定を急ぐ考えです。

共産党県委・外間久子県議「自民党、公明党、とりわけ福田さんが生活者の視点で政治をとおっしゃっていますが、言っていることとやっていることが違う」

共産党は、これまで九州比例と重複立候補していた赤嶺政賢衆議院議員が純粋比例に回り、1区には県議会議員の外間久子さんの擁立を決定しました。

次期衆議院1区は、自公対反自公の戦いから、一転して乱立模様の様相を呈しています。与党は公明か自民か、両方出るのか。また、野党はそうぞうに他の野党が乗るのか。民主党の動きはどうか。噂される解散総選挙の時期は4月か7月か10月か。県内でも解散風が吹く中、各政党の動きや駆け引きは年明けから一段と活発化しています。